鎌倉ガイド協会の会員となって、この4月から鎌倉市内と縁のある周辺地域のガイドをはじめています。特に5月、6月は小中学生や旅行者のツアー客を案内する機会が多く、その都度、どう説明したらいいか、悩む毎日が続いています。訪れる場所は鶴岡八幡宮、長谷の鎌倉大仏、長谷寺、源氏山の佐助稲荷神社、銭洗弁財天、北鎌倉の円覚寺、東慶寺、浄智寺、建長寺などの定番寺社の組み合わせとなります。ガイドになる前は、これらの観光スポットは「いつでも行ける」との思いから、ほとんど行くことはなかった場所です。
人気があるということは、行ってみたい、行く人を惹きつける何かがあると云うことでしょうから、満足して帰っていただくように、それに応えるガイドも準備が大変になるわけです。寺社の沿革、ご利益などはどのガイドブックにも書いてありますので、知っていて当たり前。ついついプラスアルファの説明がしたくなります。所謂、差別化ですね。これがなかなか難しい。
それでも何回も訪れていると、不思議なもので、なんだかその場所が好きになりますし、魅力も感じます。例えば、国宝の鎌倉大仏。晴れた日には、「みなさん幸運ですね、この大仏さんは青空を背景に拝むのが、一番すばらしい。特に真正面からよりも斜めからの横顔。美男です。与謝野晶子が釈迦牟尼にこだわった理由がわかります」と、こんな説明をします。そしてこの大仏さん、500年以上も露座のまま。おそらく建物の中にいたら焼失していたでしょう。誰でも拝むことが出来るわけで、こんなに庶民的な仏さまは何処にもいません。明治のはじめ、鋳つぶされそうになった時に、助けたのも住民らの嘆願だと言われています。
このブログのタイトルは「思いは重い」というもの。この阿弥陀如来坐像を造った人の思い、700年以上の間にこの仏様を拝んできた人の思い、観光で訪れる国内外の人の思い。これらすべての思いは絶対に重いもの。だから、人を惹きつける人気スポットなのでしょう。