鎌倉の背後の山には「やぐら」が多くあります。その「やぐら」には五輪塔が納められ、武士や僧侶のお墓といわれています。その五輪塔、地面に近い部分から、地輪(台石)、水輪(塔身)、火輪(笠石)、風輪(請花)、空輪(宝珠)の五輪からなり、小さなものは石の数では、風輪と空輪が一つの石で、たいがい四つの石で構成されています。
名越切通にあるまんだら堂では五輪塔の一つが説明用としておいてあり、お願いすればそ五輪塔を分解し構造を説明してもらえます。ガイドさんお話では、地輪の上部に穴が穿ってあり、その穴に骨を納めるとのこと。極楽寺の忍性塔もやはり地輪の底に二つの穴が穿ってあり、一つの穴に入れられた骨蔵器に忍性の遺骨が納められています。ということは、まんだら堂のやぐらにある五輪塔も間違いなく墓石と思われます。これだけの集団墓地、どんな一族?のお墓なのか興味は尽きません。