人生悠遊

写真付きで旅の記録、古都鎌倉の案内などを、周りの人の迷惑にならないように紹介していきます。

禅語を愉しむ - 百尺竿頭進一歩 ー

2020-06-09 10:41:38 | 日記

今朝のNHKニュースでのエレコム葉田順治社長のインタビューからひと言。エレコム(株)はパソコンの周辺機器を扱う会社で創業は昭和61年(1986)、連結売上高は1000億円近くあります。私も10年以上前から同社の製品を使っており、最近も品質がいいと店員に勧められUSBメモリーを買ったりしていましたので、社長がどんな人で会社の現況はどうなのか等、興味深く観ていました。その葉田社長が好きな言葉で「百尺竿頭進一歩」という禅語を上げていました。私も最近『無門関』で知った言葉ですが、その意味をよく理解しないままの流し読みでした。葉田社長とは年齢が一つ上なのにお恥ずかしい限りです。

「百尺竿頭進一歩 十方刹土現全身」というこの禅語は、『無門関』四十六則に、古徳の言葉として「百尺竿頭に坐する底の人、得入すると雖も未だ真と為さず、百尺竿頭、須らく歩を進めて十方世界に全身を現ずべし」とあり、さらに無門は「歩を進め得、身を翻し得ば、更に何れの処を嫌ってか尊と称せざる。是の如くなりと雖も、且く道へ、百尺竿頭、如何が歩を進めん。嗄(さ)」と続けています。

後段の「十方刹土現全身」の意味は、百尺竿頭からさらに歩を進めて、あらゆる世界において自己の全体を発露しなければならないというもの。無門は、一体どのようにして百尺竿頭から歩を進めるのか、言ってみなさいと急かしています。百尺もある細い竿の先まで歩んで来たことすら大変だったのに、これから先の世界がどんな処かも分からないのに、さらに一歩進めと言われたら、あなたならどうしますか?

写真は鎌倉広町緑地で見つけたニホンカワトンボです。このトンボはイトトンボの仲間。何しろ身が軽いので、どんなに細い草木の先端にも難なくとまり、サッと無限の空間に飛び出すことができます。少なくとも、背負っているものが重いと駄目でしょうね。竿がたわみ、折れるかもしれないし、飛び出すときに勢いがつきません。さて、どうしましょうか・・・???

 

 

コメント
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