頭を雲の上に出し・・・。から始まる文部省唱歌「ふじの山」は皆さんも一度は口ずさんだことがある歌です。さて薩埵峠で写した1枚。一匹の蜘蛛の上に富士山の山頂が望めます。このクモ君、実にいい場所に居を構えました。毎日富士山を見ながら生きるとは、なんとも羨ましい限りです。何かコズミックな世界を感じませんか?
さて『タオ自然学』(F・カプラ著)に「宇宙的な織物(Cosmic Web)」という言葉が出てきます。私はWebという言葉は蜘蛛の巣と訳した方が、より広がりを感じいいような気がしますが、それはともかく。原子物理学においても古代インド哲学の世界にもこの言葉が使われています。原子物理学者であるW・ハイゼンベルクは次のように語っています。
万物は複雑に入くんだ、現象の織物としてその姿をあらわす。そこではさまざまな種類の結びつきが交錯し、重なりあい、結びつき、またそうすることで、その織物の姿が決定されていく。
またヒンズー教の『ウパニシャッド』に次の詩があります。
天地も、空も、大気も、編み込まれていく。
そして風も、すべての生命の息吹とともに。
かれは知っている、かれひとりが魂であることを。
あらためて読みましたが、これはまさに薩埵峠に生きるクモ君のための詩ですね。このヒンズー教の考え方は、仏教の『華厳経』にも受けつがれ、その核心には、あらゆるものごとが限りなく複雑な形で作用しあう、相互関係の完全なネットワークという世界像と書いてありました。
やはり富士山はすごい。蜘蛛一匹でこれだけ妄想が広がるとは・・・。投稿した自分も恥ずかしくなりました。