木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

目途と有無

2008年10月03日 | 日常雑感
先日の国会答弁をラジオで聞いた。
鳩山氏と麻生総理の答弁は良家同士のものとして、興味深く聞いたが、両氏とも分かりやすい質問、回答をしていたと思う。
その中で、鳩山氏が「もくと」という表現をしていた。これは、「目途」を「もくと」と誤って読んでいたのではないかと思って、辞書を引いてみた。
辞書を引くと、「目途」は「もくと」が正しい読みで、意味は、『目当て。めど。見込み』とある。
「めど」は、本来「目処」の字が充てられるべきで、「目処」を辞書で引くと『①目指すところ。目標。めあて②針の糸を通す穴。はりのみみ』とある。
現代では、「目途」と書いて「めど」と読ませるのが一般的で、「もくと」という表現は日常的でない。私自身、「もくと」と聞いて、間違いでないかと思ってしまったほど、全然ピンと来なかった一人である。
「めど」という語感が嫌ならば、「目標」などの語を使えばいい、と思いながら続けて国会答弁を聞いていると、今度は麻生総理が「有無」をしきりに「ゆうむ」と発言していた。
一定の年齢以上の人になると、いわゆる重箱読みをする人が多い。たとえば、「工場長」を「こうばちょう」などと読む場合である。
麻生総理の言い方は、重箱読みではないが、なんとなく、年配者が使う重箱読みに近い気がする。
ちなみに、辞書を引いても、「ゆうむ」は出ていなかった。正しい日本語の使い方ではないのだが、「ゆうむ」と聞いて、意味は分かった。

言葉の使い方の正確さからすると民主党有利、分かりやすさでは自民党有利、といったところであろうか。

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