笹沢佐保が「天保・国定忠治録」で面白いことを書いている。
国定忠治は「いわゆる、お旦那博奕打ちである。このお旦那博奕うちは、親分になる者が多かった」
お旦那博奕打ちとは言うまでもなく、実家が金持ちだということだ。
「清水次郎長、笹川の繁蔵、加島屋長次郎、国定忠治、みなお旦那博奕打ちである」
その理由として、
「一つには子どものころから生きることに苦労して来た無宿人とは違って、どことなくおっとりしたところがある点だった。狡猾さがなく、万事に大まかである。それが親分肌ということになって、人望を集めるのであった」
また、
「第二に、なまじ育ちのいい者がその気になると、まったく向こう見ずになるということだった。小さいときから虐げられて、人の顔色を窺うというところがない。怖いものしらずであった。それが、たいへんな度胸になるのであった」
うーん、と思うところもあるものの、面白い意見だと思う。
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国定忠治は「いわゆる、お旦那博奕打ちである。このお旦那博奕うちは、親分になる者が多かった」
お旦那博奕打ちとは言うまでもなく、実家が金持ちだということだ。
「清水次郎長、笹川の繁蔵、加島屋長次郎、国定忠治、みなお旦那博奕打ちである」
その理由として、
「一つには子どものころから生きることに苦労して来た無宿人とは違って、どことなくおっとりしたところがある点だった。狡猾さがなく、万事に大まかである。それが親分肌ということになって、人望を集めるのであった」
また、
「第二に、なまじ育ちのいい者がその気になると、まったく向こう見ずになるということだった。小さいときから虐げられて、人の顔色を窺うというところがない。怖いものしらずであった。それが、たいへんな度胸になるのであった」
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