木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

ビレッジ・ピープル

2010年01月16日 | ポップマニア
アラベスク、ボニーM、ボーイズタウン・ギャングと見てくると、この頃のグループは仕掛け人によって「作られた」グループが多いことに気づく。
グループのコンセプトがあって、そのコンセプトの上にバンドイメージを当てはめていく。
ビレッジ・ピープルも、典型的なコンセプトグループである。
仕掛け人ことプロデュースをしたのはフランス人作曲家・ジャック・モラリ。
グリニッジ・ビレッジのゲイディスコでインディアンの衣装をまとって踊っているフェリペ・ローズを見て、ビレッジ・ピープル結成のアイデアを得たというのは有名な話である。
ビレッジ・ピープルのコンセプトは「ゲイ」であった。6人のメンバーにそれぞれ、ゲイディスコで流行っていたコスプレをさせ、ゲイをターゲットにして売り出された。かなり際物っぽかったのだが、当初はゲイの人々に好感をもたれなかったらしい。
後にポップ色を全面的に押し出した路線に変更。「サン・フランシスコ」によりブレークした。
際物っぽいイメージとは裏腹に、メンバーは歌か踊りでソロをとれるほどの実力者揃いで、ソウルフルなリードボーカルに男っぽいコーラスが加わる曲調は、ビレッジ・ピープル独自のものである。
テーマも「YMCA」、「ゴー・ウエスト」、「イン・ザ・ネービー」とアメリカ人が好みそうなものを選び、売れに売れた。
このグループは今でも現役である。
第一線からは後退した感があるが、昨年の大晦日にもハワイのシェラトン・リゾートでライブを行っている。
さすがに、最近は初期のエグイ踊りは封印しているようだが。

ビレッジ・ピープルを見ていると、グループというよりもミュージカルを観ているような気になってくる。
「ビレッジ・ピープル劇場」という舞台の上に立った俳優の演技を観るような感じだ。
オリジナル・メンバーが一人もいなくなっても、ビレッジ・ピープルは存続可能なのだろう。
それだけ、バンドイメージの形成に成功したグループと言える。

そういえば、「YMCA」のPVの中では、メンバーは両手を頭上に伸ばす手文字を行っていない。
だが最近の映像を観ると、手文字を行っているのだが、これはもしかしたら、日本からの逆輸入だったのだろうか。

GO WEST

YMCA

Village Pepole HP

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オバメタル・ライジング

2010年01月13日 | ロックマニア
またまた凄いバンドを見つけた。

実は年末にこのバンドを見つけていた。
2009年は、映画「アンビル!」との出会いが私の音楽上での一番の事件だと思っていたが、このバンドとの偶然の存在を知ったのはアンビルの映画以上にインパクトがあった。

そのバンド名は、「オバメタル・ライジング」。
名前だけから想像すると、際物っぽい気がするが、演奏は際物ならぬ、際立っている。
メンバーは雷神(dr.vo)、水神(b)、風神(g)の女性スリーピースバンド。バンド名通り妙齢のレディスであるが、オリジナリティあふれるヘビイ・メタルバンドである。
歌詞が「炎のエコロジー」とか「カラオケに行こうよ」などの曲名からも想起されるように、生活感あふれるものであるし、バンド名から、「おばさんがメタルをやっている」と妙なところで話題になってしまったようであるが、変な話である。
バンドとしては「おばさん」をコンセプトに打ち出しているが、誰も好きでおばさん、おじさんになった訳ではない。
自然の法則に逆らえず、おばさん、おじさんに「なってしまった」のである。
サミュエルソンの詩にあるように「青春とは人生のある時期をいうのではなく心の様相をいうのだ」などと言っても、経時変化で容貌も体力も衰えて来る。
その中で、愛だ、恋だなどということをテーマにして歌っていけるのは、小田和正くらいであろう。
その年代でしか出来ないテーマがあるだろうし、オバメタル・ライジングのコンセプトは正しいと思う。
ボーカルの雷神さんの名前も英語表記では、「GOD OF THUNDER」。
日本語で声に出して何回も言ってみると、「ゴッド オブ サンダー」、「オブ サンダー」、「オバサンダー」と変化してくる。
見事なウイットである。

オバメタル・ライジングの歌詞について、どうのこうの言う人もいるようだが、もともと、海外、日本を問わず、メタルの歌詞はひどいものだった。それがいいと言っている訳ではないが、リスナー自体が歌詞の内容よりも、一部にかっこいいフレーズがあれば、それで満足と考えていたように思う。
日本で一番成功したと言われるラウドネスだって、意味不明の歌詞ばかりだった。
意味不明な歌詞をポエティックと捉えるのを否定はしないけれど、詩的な意味を持たそうと作詞しているロッカーはむしろ少数派だったのではないだろうか。
たとえば、オジー・オズボーンだって悪魔を信じ肯定してた訳ではない。
オバメタル・ライジングが「炎のエコロジー」で分別収集を歌っていても、彼女らがエコロジー教の宣教師たちと思うのは間違いである。

なんだか、自分自身すごく熱く語ってしまっているが、何を言いたいかというと、オバメタル・ライジングは、興味本位で報道された経緯があるらしい。
「多数」と違う「少数」が日本ではニュースになる。そのニュースによって、報道された側にどのような影響があるかなどとまるで考えないで報道するマスコミの姿勢はひどいし、無責任なことを言う人々の雑音にも負けないで欲しいと思うからだ。

年を越えて、今日、CDアルバムを入手。
画像のあるYOUTUBEもいいが、ヘッドフォンで聴く大音量のCDも更にいい!
オバメタル・ライジングはヘビイ・メタルする心を持ち続けているバンドである。
これを読んだ方がメタル好きであれば、ぜひ、CDを入手して、あなたの耳で聞いて、判断して欲しいと思わせるバンドである。


ゴッド・オブ・サンダー

オバメタル・ライジング ブログ



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ゲーリー・ミューレン

2010年01月11日 | ロックマニア
別のことを調べていて、偶然に凄いアーティストを発見した。

アメリカのサンライズ・シアターというライブハウスの2010年4月10日20:00~の予定であるが、「One Night of Queen Gary Mullen & The Works」 とある。

例によって、YOUTUBEにGaryのライブの模様もあるので、よかったら、まず見て頂きたい。

Gary Mullen & The Works

ご覧になった方のご感想は、いかがでしょうか?
私自身はゲーリーの実力にびっくりしてしまった。
クイーンは何年か前も、ブライアン・メイ(ギター)とロジャー・テイラー(ドラムス)に、元バッド・カンパニーのポール・ロジャースを加えて日本でも公演を行っていた。
私ももちろん観に行った。
さすがにポールはクイーンの曲もそつなくこなしていたが、それは自分なりにフレディの歌を「翻訳」して歌っていたのに他ならない。
皮肉なのか、当然なのかは分からないが、コンサートでも一番ノリがよかったと思われたのは、クイーンの曲でなく、バッド・カンパニーの曲であった。
それだけ、ロックバンドにおいては、フロントマンとしてボーカルパートが重視される。
フレデイという類まれなる才能を持ったバンドにおいてはなおさらであろう。
フレデイはその音域の広さや歌唱力からコピーが非常に困難である。

しかし、ゲーリー・ミューレンのコピー力は凄い。
彼はイギリスの2000年のテレビ番組で、フレディのそっくりさんとして優勝し、その後、イギリス国内のみならず、フランス、ドイツ、スイス、ルクセンブルグ、ポーランド、ニュージーランドなどを回り、今回が初のアメリカ進出らしい。

ぜひ、日本にも来てほしいものだ。

追記
日清カップヌードルのCFでフレディが唄っているのは、音声の合成かと思ったが、このゲーリーが唄っているそうだ。

Gary Mullen HP

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ボニーMの摩訶不思議

2010年01月09日 | ポップマニア
アーリー80年代のポップ界においてボニーMの人気は凄まじかった。
イギリスではジャケットの際どさから、逆に敬遠されたというほど、キワモノ的なイメージがつきまとうボニーMであるが、このグループも今調べると、知らなかったことが多いのに驚かされる。
まず、オリジナルメンバーを見ると、

リズ・ミッチェル(リードボーカル)
マーシャ・バレット(ボーカル)
メイジー・ウイリアムス(コーラス)
ボビー・ファレル(DJ)

後に、レギー・ツィボー(DJ)

となっている。
なんとなく黒一点のボビーが司令塔であるような印象を持っていたが、これも前回のアラベスクやボーイズ・タウン・ギャングと同様に仕掛け人が存在した。フランク・ファリアンという人物である。

ボニーMの驚きの点はいくつもあるが、以下に箇条書きにしてみたい。

①メイジーとボビーは全くの口パクであった。
 ボビーのパートはフランクが歌っており、メイジーは単にルックス面で色を添えただけである。今はメイジーのパートを「ダン サー」とし、ボビーのパートも「DJ」と表現することが多い。

②ファリアンは、ミリ・ヴァニリもプロデュースしていた。 
口パク騒動で業界を追い出された格好になったミリ・ヴァニリをプロデュースしたのはファリアンであった。
ファリアンには、ボニーMという「前科」があったわけである。

③後にエニグマを結成するマイケル・クレトゥはボニーMのバックミュージシャンだった。 
アラベスクの元リードボーカルで妻であった(後に離婚)サンドラとエニグマを結成したマイケルはボニーMのバックミュージシャンであった。

④ボニーM解散後、ボニーMを名乗るバンドが同時期に3つ存在したことがある。  ボニーMは公式には、1986年に解散するのだが、1990年には
  A.マーシャ、メイジー、ボビー、マデリン・デイビス(新参加) プロデューサー:バリー・ブルー → 非公式
  B.リズ、レギーに新参加の二人 プロデューサー:フランク・ファレル → 公式
  に分かれた。
  1997年になると、
  リズ (イギリス中心) → 公式
  メイジー(ヨーロッパ中心)
  ボビー(オランダ、アメリカ中心)
 の三つに分かれたとされる。(マーシャはボニーMを離れソロ活動)

いろいろ驚くことの多いボニーMであるが、一番の驚きは、結成が1975年であるが、そのサウンドが今でも新鮮であることである。

メンバーの多くも今でも現役で活躍している。
例によって、Youtubeの映像とメンバーのHPを記載しておきます。
なお、今回の記事の多くの部分はBenさんのHPの中のボニーmの項を参考にさせて頂きました。感謝!

Ben’s Unofficial ARABESQUE Fan Club

ダディ・クール

リズ・ミッチェル
マーシャ・バレット①
マーシャ・バレット②
メイジー・ウイリアムス
ボビー・ファレル
→ 先日まで閲覧できたが、最近なぜか無効なリンクになっていた。
→ 2008年ドバイのディスコで健在振りを発揮した映像を発見 ◎ここ◎ (YOUTUBE)をクリック

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ボーイズ・タウン・ギャング

2010年01月08日 | ポップマニア
またもや、驚きの80年代。

ボーイズ・タウン・ギャングの「君の瞳に恋してる」(Can't take my eyes off you)は、当時のディスコではどこでもかかっていて、一番盛り上がる曲であった。
原曲はフランキー・ヴァリがヒットさせた、などというのは調べた結果の孫引きでしかないが、ヴァリのオリジナルは映画「ディア・ハンター」でも使われていた。

ボーイズ・タウン・ギャングというバンド名は変だな、と思ったことはあったが、ボーカルが女性でもあり、深く考えることもなかった。

しかし、このバンドはゲイの人々をターゲットに見据えたバンドだったようだ。
知らなかった!
確かにプロモーションビデオで、ひげをたくわえてバックダンサーのように歌う男性二人を見ると、いかにもそれっぽい印象を受ける。
当時のシングルジャケットではマッチョな二人の上半身裸の写真がフューチャーされ、リードシンガーであるジャクソンの写真はない。

一人の女性シンガーであるジャクソン・ムーアに、男性のバックダンサー(トム・モーレイ、ブルース・カールトン)が踊っているというグループ構成で、厳密には「バンド」とは言えないのかも知れない。
80年代にディスコで流行ったグループというのは、仕掛け人がいて、その仕掛けのもとに出来上がったグループが多かった。
ボーイズ・タウン・ギャングも大のダイアナ・ロスファンであるDJ、ビル・モトリーのアイデアの下、サンフランシスコで作られた。
当初は地方のキャバレーシンガーだったシンシア・マンレーがボーカルを務め、2代目ボーカリストにジャクソンが参加した。バックが男性4人の5人構成を経て、3人構成に落ち着いた。

ロックというのは、反社会的な意識から生まれ、発展してきた音楽であるが、MTVを中心にロック自体が「体制」に組み込まれてしまった感のある80年代にあって、そのころはまだまだ反社会的であったゲイパワーは、その逆境ゆえに、きらめくような輝きを示していた。

ジャクソン、トム、ブルースは、その後の活動についてはよく分からないが、シンシアは今も元気にナイトクラブを中心に活躍している様子である。
仕掛け人のビル・モトリーはこの大成功により、モビー・ディック・レコードなる会社を設立し、会社のヘッドとなっている。

下記にyoutube版「君の瞳に恋してる」とシンシアのHPをアップしておきました。

君の瞳に恋してる

Cynthia Manley HP

モビー・ディック・レコードHP

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アラベスクとエニグマ

2010年01月08日 | ポップマニア
2010年初春にはびっくりさせられることが多い。

まず、アラベスクとエニグマ。
アラベスクというのは80年代に活躍した女性3人組で、ディスコブームに乗り、本国西ドイツよりも日本での人気が高かったというバンドである。
代表曲「ハロー!ミスター・モンキー」などは盆踊りのようにステップが決まっていて、みんなが振り向くところで、自分だけぼっとしていると、振り向いた前の人と目が合い、ばつの悪い思いをしたものだ(体験談)。
リードボーカルのサンドラ・アン・ラウアーはバンド名の通り、エキゾチックな顔付きで笑窪がチャームポイントだったような記憶だが、曲といい、振り付けといい、いかにも日本受けしそうな感じはする。

一方、エニグマというのは民族音楽とでもいうのか、一連のヒーリング・ミュージックで日本でも脚光を浴びた男女二人のグループである。
「リターン・トゥ・イノセンス」はベストセラーCD「Feel」にも収められ、多くの人が一度は耳にしたことはある曲であろう。耳に残るのはアーシーな男性ボーカルの声なのだが、囁くような歌を歌っているのがサンドラである。
エニグマの映像はイメージっぽいのが多くて、シンガーの映像もないので、なかなか、エニグマとアラベスクが結びつかない。
歌声を聴いても、まだ結びつかない。
きっと、ずっと結びつかないのだろう。

でも、アラベスクとエニグマの関係には驚いた。

下記にYoutubeのリンク先を書いておきました。
興味がある方はどうぞ。




フライデー・ナイト

リターン・トゥ・イノセンス


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新年ご挨拶

2010年01月04日 | 日常雑感
新年
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

さて、昨年2009年は、自分にとって一文字で言い表すと「迷」であった。
いろいろな考えが自分の中で錯綜し、かつ、自分の力不足を思い知った一年だった。
年があけても、いまだに考えは混乱し、ポリシーはぶれにぶれ続けている。
信じているものは変わらないのだけれど、がむしゃらに信念だけを貫けばいいのかというと、そうもいかない。
池田清彦氏は「正しく生きるとはどういうことか」(新潮社)の中で、

「多くの人は、自分の才能の無さにどこかで納得し、自分なりの規範を作って生きることになる。そうしないと善く生きることは難しいからである。(中略)
自分固有の規範は自分で考える他ないのである。自分の生き方は自分で決めるしかない。いやだと駄々こねをしても仕方がない。他人の考えや、他人の教えは最終的には役に立たない。これは自由であることの代償なのだ。かけがえのない自分という、それが本当の意味である。」

とし、自分固有の規範として次の三種類を挙げている。

①日常生活を律する規範
②人生の目的や目標を決める規範
③他人との関係をどう構築するかという規範


結局、規範というのは個人個人が恣意的に考えるべき事柄であって世の中一般の道徳観とか常識によって作るべきではない、というのが氏の意見である。

そういえば、昔愛読したロバート・B・パーカーの一説にこういうのがあった。

「つまり、きみのお父さんは、たぶん、自分が立派な男であるのかどうか確信がもてないし、そうでないかもしれないという疑念を抱いているのだろう。そうでないとしたら、彼はそのことを人に知られたくない。しかし、彼はどうすれば立派な人間になれるのか、知らない、だから、誰かから聞いた単純なルールに従う。自分で考えるより容易だし、安全だ。さもないと、自分で判断しなければならない。自分の行動について何らかの結論を下さなければならないし、その場合、自分が守れないのに気づくかもしれない。だから、安全な道を選んだらいいじゃないか、と考える。世に受け入れられる回路に自分のプラグを差し込むだけですむ」
初秋(菊池光訳)早川書房


若いころに馬鹿げた夢を口にしていた人間は好意をもって迎えられることもあるが、中年過ぎになってもなお馬鹿げた夢を語っている者は単に馬鹿にされるだけである。

けれども、何年経っても、自分の規範というものを確立していかないと、所詮「誰のものでもない人生」を送ってしまうことになる。
今年は、自分なりのぶれない規範を確立したいと思っています。
そして、一年の一語は「明」にしたいと思う次第です。

「正しく人生を減らす。
くだらないことですり減らしてはならない。
そのためには、爆発も恐れない。
怖がって中途半端に、器用に生きようとして生きることを恐れなければならない」(謙)

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