![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_fine.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/book.gif)
保険外交員の女が殺害された。
捜査線上に浮かぶ男。彼と出会ったもう一人の女。
加害者と被害者、それぞれの家族たち。
群像劇は、逃亡劇から純愛劇へ。なぜ、事件は起きたのか?
なぜ、二人は逃げ続けるのか?そして、悪人とはいったい誰なのか。
(「BOOK」データベースより)
友人に借りた本。
「悪人」という題名だけで 私は手に取らないと思う。
・・・でも 読み出したら一気に読んでしまいました。
「悪人とはいったい誰なのか」
もちろん 殺人を犯した清水裕一は どんな理由でも
許されるわけはありません。
それでも 殺人事件の被害者・石橋佳乃や
被疑者として逃げ回る増尾圭吾など 登場人物の心理や背景が
克明に描かれ 特に 殺人者清水裕一の生い立ち、生活環境など
胸が締め付けられる思いで読みました。
格差社会といいますが この小説の人々が皆孤独でやり切れません。
読みながら 「どうしてそんなこと言うの
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/eq_2.gif)
「どうしてそんなことをするの
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/eq_2.gif)
「どうして
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/eq_2.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/eq_2.gif)
子育てを終わりかけている年代の私は
この登場人物たちの言動に
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/eq_2.gif)
出会い系サイトで いとも簡単に男女が知り合い、
小遣い稼ぎで男と付き合う、目先の事だけで
夢も未来もないような生活。
中でも私の心に一番重くのしかかってきたのは
被害者・石橋佳乃の両親の悲しみと慟哭です。
最愛の娘を殺されたという悲しみ、の他に
被害者でありながら 娘のお思いがけない行状に対する
世間の好奇と批判に耐えなければならない、
あまりに残酷だと思いました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyob_hat.gif)
最後に 清水裕一と逃避行を続ける女・馬込光代。
逃避行は どちらかというと光代が主導権を握っていたようなのに
光代に迷惑がかからぬように 裕一がとった手段に
胸がいっぱいになりました。
正直 読後感は重く暗いものでしたが
なぜか 読んでよかったと思わせる一冊です。