北海道でノンビリと

タブタブの何処かへ行こう を改題しました。
何処かへ行く機会も減ってきたので 北海道を楽しもうと思ったからです

同級生 I クンのこと

2018-11-06 21:26:37 | 日記
Iクンと初めて逢ったのは、以前書いたあの物置のような半分崩れた学生寮の中だったことは間違いない。

入寮後の新入生歓迎コンパで、「岐阜県加茂郡・・・・・」と住所をハッキリ最後まで言って自己紹介した変なヤツがIクンだった。

家は農家。

細かいことは気にしない「やんちゃ坊主」的性格は、誰とでも仲良くなれるように出来ていて、すぐに馴染めた。

Iクンの頭脳は飛び抜けていて試験の前日になると部屋の入口に「立入禁止」の貼紙。

そっと覗くと机の周りには飲み物、煙草など必要なものを全て置いて捻じり鉢巻き姿。

2時間も机に向かっていたら飽きてくる私とは大違いの集中力は半端ではなく、常にクラスでトップの成績。

細身で長身 少し猫背なのは、小デブの私とは対照的で良くモテたと思う。


休日、自宅へ戻るから一緒に行こうと誘われ、乗り換えて越美南線、今の長良川鉄道で家へ行ったことがある。

車中泊で全国を周っている時に、そのお宅へお邪魔したのだが、御高齢のお母様が35年前の私のことをしっかりと記憶していて、Iクンの頭脳のDNAはお母様から譲り受けたものだと確信した。

さて、Iクンは卒業後、自宅から通勤範囲内の美濃加茂で就職したのだが、何と岐阜の大学から声が掛かり大学教授に就任。
学会の副会長も務めて、やっぱり出来の良いやつは違うと納得し半分呆れた。

大学を退官する時には「女子学生に泣かれてさぁ」なんて自慢気に云うのでムカッとしたが、外観も中身も私とは出来が違うのだから仕方が無い。

一昨日京都の同級生Kクンからメールが来て、そのIクンが秋の叙勲で瑞宝章を受けると教えてくれた。

私の学校の卒業生から勲章を受ける人はポツポツと出るので、そんなに珍しくは無いのだが、同期の中で貰える人がいるとしたらIクンに違いないと常々思っていたので、そんなに驚きはしなかった。

勲章を受ける時、猫背の「やんちゃ坊主」は堂々と背筋を伸ばしてくれると嬉しい。

何しろ同期の出世頭だ。
彼の教え子だけではなく、同級生の私だって泣くよ、きっと。