若い頃、長い梯子を延ばして屋根へ上がり、家の真ん中に突き出た煙突を掃除し、屋根のペンキまで塗っていた。
自分は高い所が好きと思っていたから平気だったのだが、それが偽りであることにふと気が付いた。
ある日突然、本当は高所恐怖症なのだと気が付いたのだ。
だから、屋根の上に出ると足が震え、身体の真ん中に下がっている振り子はキュッと縮んでいたのだ。
それを自覚してから踏み台程度の高さには何とか上がれるが梯子を使うことは無くなり、車庫の中に納まったまま。
先日、ジュニアがタイヤ交換してくれた時に、その梯子のことを話したら今日突然長い車、多分ハイエースで取りに来た。
会社で使うのか自分で使うのかは知らないけれど車に苦労して積み込んで持って行った。
買物から戻ったルンバにジュニアが梯子を持って行ったと話したら、「これからどうするの」と怒られた。
つまり腰を傷めている高所恐怖症の爺さんをまだ屋根に上げる気でいるのだ。
鬼みたいなヤツだ。
高所恐怖症の爺さんであることをきちんと示さなければ納得しないのだろうか。
ヨシッ、頑張って2階の窓から屋根の上に出て縮んだジェームスを見せようか。
毛だって白くなっているのを見せようか。