気温21℃・・・・・・暑い・・・・かも知れない。
冬に家で一番偉いアノ方から「車庫の外壁にヒビが入っているから」と云うお知らせが私に下ったのを記憶している方もいるだろう。
お知らせと云うことは、ただ伝えたのでは無く「修理しろ」と云うご命令だ。
ウッフンも無く、顎と眼力で私を動かす気だ。
間違いは、男は何でも出来ると思われていることだ。何も出来ない男だっているのだ。
それでも暖かくなったら、頑張ってみようと思いながら過ごしてきたが、充分暖かくなってしまったので、催促の「お言葉」が出るかも知れない。
マスキングテープやコーキング材にコーキングガン、それに塗り込む時に使うヘラも用意してある。
後は、ヤル気のゴング待ちだ。
今日もウォーキングを頑張ろうと、虫除け効果があると云う白いウェアを来て玄関から出たものの、急に車庫の壁が気になって見に行った。
原因は吹雪で壁に染み込んだ雪が凍ったことで目地にヒビを入れ剥離したのだと思う。
そのヒビ割れを見ている内に、私のスイッチが入った。
ウォーキングなんかしている場合ではない。頑張ってご主人様に褒めて貰うのは今だ。
用具と脚立を持ち出して、先ずマスキングテープを貼り付ける。
DIYの始まりだ。
上手に出来る自信は全くない。何しろ初めてやる上に高所恐怖症だ。
多分近所の人は、(タブ爺さんが急に何かを始めたぞ)と注目しているに違いない。
良く見るとけっこう傷んでいる部分が多い。
マスキングテープが1巻では足りず2巻目に突入。
脚立を置く余地が無くて梯子のように延ばして、高所恐怖症の爺さんは命がけで頑張る。
股間のバランサーは、思いっきり縮んでいる。
後は明日、コーキング剤が乾いたらマスキングテープを外そうと思った所で梯子を踏み外したが幸いにも転ばずに柔らかい土の上に着地。危なかった。
ルンバは私のDIYの跡を見に来た。
「けっこう広かったんだねぇ」と労りのお言葉。
何しろ2時間半も頑張ったのだから・・・・・
と思って家へ戻ったら、真っ白いウォーキングウェアに点々とグレーのコーキング剤の跡。
でも頑張った私を知っているルンバは、何も云わずに洗濯。
汚れは完全に落ちないだろうけれど、まぁ仕方がない。
「お父さんが頑張った跡だねぇ」と云いながら汚れの付いたシャツを室内干しするルンバ。
予想外の「お言葉」を頂き、思わず抱きしめようかと思ったけれど、「調子に乗るな」と云う警報が脳の何処かで鳴り響いた。