ルンバが珍しく自分で運転して病院へ行った時、どうにも気になって仕方がないことがあると云う。
運転席の足元に敷いてあるマットに開いている穴のことだ。
運転する機会の多い私は当然気が付いていて、見ないようにしているだけのことだ。
足元のことなのでシートに座ってしまえば見えない。
だから、少ししか気にならない。つまり少しは気になっているのだが……。
車を買い替えて約2年。2万キロを走ったのだから安物のマットも限界が来ていたのだろう。
無視し続ける私に突然ルンバが「私が買ってあげるからマットを替えなさい」と叫んだ。
ルンバが何かを買ってくれるなんて、凄く凄く珍しいことだ。
私はサッと腰を上げて着替え、彼女の気が変わらない内にと一緒に車に乗った。
急に金額のことが気になったルンバは「いくら位するの?」と訊く(笑)
店に着いて一緒に品定め。2000円弱から4000円程するものまである。
(2000円弱の品で良いや) と決めてルンバが差し出した2000円を手にカウンターへ。
ポイントカードを出したら、少し貯まっていたので全部使うことにしてさらに安くなった。
モチロン釣銭は私の小銭入れに直行だ。
穴の開いたマットを店で引き取ってもらって、私はご機嫌さんで運転席に座った。