※ 先日の続き 釧路三大麵
先日の休息日にYさん御夫婦は私の教えた幣舞橋近くの泉屋へ行ったと云う。
町の名物、三大麺の一つであるスパカツを食べるためだ。
高温のジュージューと音がする熱した鉄板の上に山盛りのミートソースが載り、さらにトンカツが殿様の如く最上階に居座っている。
パチパチと跳ねる油の熱さを気にもせずにウェイトレスさんが木枠に入ったスパカツを手持ちでテーブルに運ぶ姿は異様だ。
そして食べ慣れた客はテーブル上にある備品のペーパーを油が跳ねても服に届かないようにサッと広げてブロックする。
私が子供の頃、各町内には一店舗は蕎麦屋があって、外食と云えば必ず蕎麦だったし,自転車に乗ったお兄さんが出前を運んでくれた。
そんな田舎町に初めて出来た洋食屋が、多分このスパカツの泉屋だ。
中学生の時だったと思うが、突然同級生に誘われ「スパカツだろう?」と当然だよな的なことのように連れて行かれ、目にした今より2割…いや3割は山盛りの富士山級のを前に悪戦苦闘して、結局食べきれず、涼しい顔して全部平らげた友人に「全部食べられなきゃ男じゃねぇぞ」的なことを云われて以来、悔しくて別の同級生に攻略法を教えてもらったのだが、それは「途中で水を飲まないこと」と云う単純なものだった。
その攻略法もYさんに伝授したのだが、LINEで送ってきた写真には、「美味しかったよ」の文字の他に「全部食べたし、水は最後まで飲まなかった」と云う言葉も添えられて。
「昔は、もっともっと多かったんだよ」と教えたかったが、得意気な写真のYさんを見ると
拍手を送ることしかできなかったし、今の量だってもう私には無理かもと思っていたから。
だから「味しかったよ」の優しい一言があるだけで大満足だったのだ。