今年初めてのフグ。大分県は全国的にも珍しく、フグの肝を食べさせる土地である。少し、舌にピリッと来る感じが良い。などというが、やはり、ピリッときた時は遅いような気がする。別府にある「いなせ」という料理屋は藍染めの多田さんの紹介でVIPが来た時に食べに来るお店である。「質実剛健」という雰囲気の店である。飾り気はまるで無い、が、料理で勝負である。ふぐ刺しというと、向こうが透けて見えるような刺身を想像するが、そういった刺身ばかりではない。この「いなせ」ではプルルンとした舌触りを残すため、 あえて、少し食感の残る厚さにしてある。ポン酢に肝を少し溶いて、一切れずつほお張ったら最高だ。ふぐ刺しの後に、唐揚げ、フグ鍋、最後は当然雑炊だ。3人では食べきれないほどの量が出て、ふぐ刺しでお腹が一杯になるくらい出てきます。これで天然とらふぐコースで1万円。感激だ。
この日のVIPとは、伊勢丹の「S」さん。一見、俳優の小堺一機に良く似ている。くりくりっとした目が可愛らしい。しかし、見た目よりずいぶん仕事ができるやり手である。我々業者と伊勢丹との間の調整役である。きっと20年ほどすれば、伊勢丹の社長にはなっていないだろうが、悪くてもどこかの店長にはなっていることだろう。そのとき、下っ端の社員が偉そうな口を利いたとき、「S店長を呼べ」と言ってやる。今から想像しても面白い?
具体的な仕事の話はそこそこに、将来に向けて、人間同士としてどんな道を歩もうか?とそんな話に花が咲き、楽しい時間を過ごした。