高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

後継者育成事業 2

2008年11月30日 05時05分53秒 | 後継者育成

29日、30日と第2回目の後継者育成事業として、別府の「伝統産業会館」での実技指導。先週の土・日が私の都合で出来なかった為、1週間の空きがあった。そのお陰で、生徒には充分なヒゴを取る時間が出来、かえって良かった様だ。それでも、聞いてみると、「昨日は夜中の2時までヒゴ取りをしていました」「学校の休み時間にも、ヒゴ取りをしました」などなど、相当頑張っているのが伝わってくる。

本来であれば、1個だけ作品を完成させれば良いのだが、並々ならぬ全員の意気込みに押され、「余裕のある人はもう一つ作れば良いよ!」と優しい気持ちで言ったのが大間違い。全員が2個作る気持ちになっている。アッチャー!    実際、1個作るのでも6日間で精一杯という所だ。生徒の尻を叩きながら、手助けをしながら指導していく。

1130_001 一人面白い事をして来た生徒がいた。朝30分遅刻して現れた彼は、申し訳なさそうに「遅くなりすみません」と誤る、理由を聞いてみると、一つの籠を作るのに100本以上のヒゴが要るのだが、その1本1本のヒゴに柿渋を丁寧に刷毛で塗りこんで来たのだ。そのヒゴが紙に引っ付いて中々取れなくて遅くなったと言う。  本人は大失敗したつもりでいるが、ヒゴを見てみると、艶のある面白い風合いが出ている。案外、仕上がったらどんな表情をするのか楽しみである。

1本1本のヒゴに引っ付いた紙をナイフでこさぎ落としている「K」君。この時の彼の心境は「トホホ!」である。

しかし、「瓢箪から駒」と言う言葉がある様に、この失敗が、彼の人生を大きく変える出来事に成るかも知れない?

折り返し地点の半分の日程が終わった所で、何とか、予定より少し遅れで進んでいる。全員のやる気が伝わってくるので、こちらも精一杯の指導をしたいと思う。

後半も頑張って行きましょう!

竹工房オンセ

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