自己と他者 

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伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』

2006-02-17 01:45:38 | 小説

伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』(東京創元社)

を読んだ。吉川英治文学新人賞受賞作品。

主な登場人物

■椎名 現在として展開される語り手

■河崎 二枚目の顔で女好き

■ドルジ ブータン人。河崎から日本語を教わる

■琴美 二年前に遡っている時の語り手

河崎とわずかな期間付き合う ドルジと同棲

ペットショップでバイトをする。

■麗子 ペットショップ店長 色白美人

はじめの方は退屈だったが、途中からはすらすら読めた。

犬や猫を無残に殺す男女三人に偶然会ってしまう

琴美とドルジ。そこから悲劇が始まる。

なんか、こういった動物や人間が無残に

殺されるというパターンの作品が多いのは気のせいか?

現実に起こりそうだからか?微妙にリアリティを演出

するためか。小説だから別にかまわないと思うけど。

●印象に残った表現

「政治家が間違っている時、正しいことは全て間違っている」

「背負うはずの罪悪感がうやむやになったことに胸をなでおろす」

「善いことをすればいつか報われる、

悪いことをすればいつか報いがある」

「足掻き→熱さ」

「自信=経験+実績」

「強い意志が漲っていた」

ダックスフントを購入した客が返品しに来たとき、

その客対店員(琴美)の心

「返品するわ、引き取って」「あなたこそ息を引き取りなさい」

「怒りは憎しみに変わり報復に向かう」

「美人の敵は時間」

「若者が一番恐れているのは貧乏や性病や成績の悪化

より、「ダサイ」ことを嫌う。」

などなど。