伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』(東京創元社)
を読んだ。吉川英治文学新人賞受賞作品。
主な登場人物
■椎名 現在として展開される語り手
■河崎 二枚目の顔で女好き
■ドルジ ブータン人。河崎から日本語を教わる
■琴美 二年前に遡っている時の語り手
河崎とわずかな期間付き合う ドルジと同棲
ペットショップでバイトをする。
■麗子 ペットショップ店長 色白美人
はじめの方は退屈だったが、途中からはすらすら読めた。
犬や猫を無残に殺す男女三人に偶然会ってしまう
琴美とドルジ。そこから悲劇が始まる。
なんか、こういった動物や人間が無残に
殺されるというパターンの作品が多いのは気のせいか?
現実に起こりそうだからか?微妙にリアリティを演出
するためか。小説だから別にかまわないと思うけど。
●印象に残った表現
「政治家が間違っている時、正しいことは全て間違っている」
「背負うはずの罪悪感がうやむやになったことに胸をなでおろす」
「善いことをすればいつか報われる、
悪いことをすればいつか報いがある」
「足掻き→熱さ」
「自信=経験+実績」
「強い意志が漲っていた」
ダックスフントを購入した客が返品しに来たとき、
その客対店員(琴美)の心
「返品するわ、引き取って」「あなたこそ息を引き取りなさい」
「怒りは憎しみに変わり報復に向かう」
「美人の敵は時間」
「若者が一番恐れているのは貧乏や性病や成績の悪化
より、「ダサイ」ことを嫌う。」
などなど。