2006年3月17日(金)
森博嗣 『スカイ・クロラ』(中公文庫)
シリーズ第一巻
現役大学助教授と作家を兼務する著者の本。
自分は、本を買うときには大体アマゾンのページを一目みて、どんな内容かをイメージして購入しているのだが、「これは買い、面白そうだ」と思った作品。裏切られることなく、読み終わり、次の巻を読み進めている。なんとなくだが、良い本に書かれている文は現実的に考えても違和感がないように思う。
主人公は戦闘機パイロット「カンナミ」、上司の草薙水素(ミズト)、土岐野(パイロット)、笹倉(メカニック)などが主な登場人物。自分の心情にあう「動」というより「静」をイメージする小説だった。時代は未来、世界各国で戦争が繰り広げられている。殺されない限り永遠に死ぬことのない(歳をとらない)キルドレ(Children?)と言われる対戦争用に造られた人間。それがカンナミであり、ミズトだった。
カンナミは、一人を好んで生き、周囲との軋轢を避けるために無理に周囲と溶け込んでいる振りをして生きてきた。パイロットは孤独な仕事のようだ。特に戦闘機パイロットは。生と死、子供と大人をどう位置づけることができるか、考えさせられる表現が多い。