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生産行動

2005-01-29 12:09:58 | 国際・政治・社会・経済
生産行動理論
参考:ジョゼフ・E・スティグリッツ ミクロ経済学
経済学原論Ⅰ

ミクロ経済学
 企業の目的とは、利潤(収入と費用の差)を最大限にあげることである。その目的を果たすために企業はどのような要因を考慮しながら生産行動を決定しているのか、各企業はどのように産業を組織し、市場を形成しているのかを考えてみたい。
企業と費用
 生産関数とは投入物(生産要素=原料や燃料、労働力など)の組み合わせから生産される産出量を表したものである。
投入量が増加するよりも少ない割合でしか産出量が増加しないことを収益逓減という。一方、投入量が増加するとそれ以上の割合で産出量が増加するような企業は収益逓増(徐々に増える)であり、投入量に対して産出量が同じ割合で増加するようなケースを収益一定であるという。
 利潤最大をめざす全ての企業は生産したい産出量での費用を最小にする生産方法を選択する。費用が最小ならば利潤が最大になるからである。それまで扱っていた投入物の価格が上昇するとき、他の安価な投入物で代替しようとすることを代替の法則という。
生産の決定
 収入曲線とは企業の総産出量と収入の関係を表すものである。競争的企業にとっては、生産物をもう一単位追加的に販売することによって得られる限界収入はその財の価格に等しく、市場価格(もう一単位生産を増加することによって得られる限界収入)と限界費用(産出物をもう一単位追加して生産するために必要となる費用の増加額)が等しくなる産出量を選択すると利潤が最大になる。
 財の市場価格が平均費用(総費用=生産にかかる全ての費用を産出量で割ったもの)の最小値を上回っているならば販売によって得られる収入がその財を生産するための費用を上回るため、企業は利潤を得ることができる。よってこの場合には企業は市場に参入する。反対に、財の市場価格が平均費用の最小値を下回り、かつサンクコスト(回収できない費用)がない場合には、企業は即座に市場から退出し、サンクコストがある場合には、短期において少なくとも可変費用以上の収入が得られる限り、その企業は生産を継続する。 
市場構造 
 市場構造は完全競争の他、競争が制限されるタイプとして主に三つに分けられる。①市場供給のすべてが一企業だけで行われており、競争相手がいない状況を独占という。②いくつかの企業が市場に供給する場合を寡占といい、③企業数が寡占より多いが完全競争ほど多くない場合には独占的競争と呼ばれる。寡占や独占的競争を不完全競争ともいう。市場が完全競争ではなく不完全競争となるのは比較的少数の企業が市場を支配したり、品質や価格、立地点の違い、消費者の認識の違いまたは各企業が差別化された製品を生産する場合であり、意図的に参入障壁を高くしようとする既存企業の戦略によるところが大きい。
  しかし、寡占企業はライバル企業と共謀してより高い利潤を得るか、それとも競争して利潤を高めるかについて選択しなければならない。さらにライバル企業が自社のとる行動に対してどのように反応するかについても決定しなければならない。
寡占産業においてはライバル企業が値引きに同調するが、値上げに同調しない場合、企業は屈折需要曲線に直面する。屈折需要曲線に対応する限界収入曲線は、垂直方向に不連続な部分を持つが、そのために企業は費用条件が少々変化しても価格や産出量を変えないかもしれない。



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