ケンのブログ

日々の雑感や日記

名古屋フィルの定期演奏会に行く

2022年12月13日 | 音楽
12月10日は名古屋フィルハーモニー交響楽団の507回定期演奏会を聴きに行く。

会場は愛知芸術劇場コンサートホール

指揮 川瀬賢太郎さん

最初に演奏されたのは 武満徹 波の盆

武満徹と 聴いただけで これは 退屈だぞ と思っていた。

けれど なんだか クリスマスファンタジーのような 感じで いやあ 波の盆 というタイトルだけれど お盆ではなく クリスマスのファンタジーか? と思いながら聴いていた。

小林研一郎さんがよく アンコールでされる ダニーボーイに弦楽の響きが似ているな と思う場面もあった。

武満徹だけれど 寝ないで聴くことができてよかった。 


次にサックス上野耕平さんで
リュエフのサクスフォン小協奏曲作品17が演奏された。

初めて聴く曲だし 現代という言葉の定義をよく知らないけれど まあ 現代の曲だし あまりよく覚えていない。

最終楽章 つまり 第三楽章がプログラムには 生き生きと、とても律動的にとなっている。

その 律動的な 音楽の旋律が なぜか どこかで聴いたことがあるような気がした。

なんか 聴いたことがある気がするぞ どの曲だろう ショスタコーヴィチか いや 違う どの曲だろう いやあ 思い出せない と思っているうちに 音楽が終わった。

・・・・・
最近 近眼に加えて 老眼も 進んできている。
 
なので プログラムが よく 見えなくて 前半は この サクソフォン小協奏曲で終わりだと思っていた。

しかし、サックスの 上野耕平さんがステージのそでに引っ込むと ステージにたくさんのオーケストラ奏者が出てきた。

いやあ これは コロナだから 休憩なしで 今日のメイン シベリウスの交響曲第五番をやるんか と一瞬思ってドキッとした。

そうしたら そうではなくて 上野耕平さんが楽器を一曲目より細いものに持ち替えて ステージに出てこられた。

それで もう一度 プログラムに目を凝らすと

坂田直樹作曲 盗まれた地平 ソプラノサクソフォンと管弦楽のための となっている。

そうか 前半にもう一曲あるんだと安心した。

そして あの 細い楽器が ソプラノサクソフォンかと思った。

曲は 初めて聴くことだし よく覚えていない。

スーッと音が鳴って ピーっと鳴って 最後に 仏壇の鐘のようにチーンと鳴る。

そんな 感じの場面もあり 指揮者は こういう時 どうやって振るのだろうと思ってみたけれど よくわからなかった。

20分の休憩をはさんで次に演奏されたのがシベリウスの交響曲第五番 変ホ長調

第一楽章
冒頭のホルンのぼわーっという響きに続いて木管が出てくる。

ここは 目を凝らしてステージを見ていると 2本のクラリネット 2本のオーボエ 2本のフルートという具合に それぞれの木管楽器が2本セットで しみじみと響く和声を作りながら 木管全体としての音を構成しているように 見えるし また 聴こえる。

本当に シベリウス音楽の木管の響きは 美しいなあと思った。

音楽が静かになる部分で 弦楽器が 波のような音を作りながら それを バックに ファゴットなどの木管が 音を奏でるところがあったけれど その 弦楽器の静かな音の波が プログラム前半の 現代音楽の音の動きに通じるようなものがあるように聴こえた。

(プログラム前半のどの曲だったか忘れてしまったけれど。なにしろ現代音楽なので、、、。)

そして やはり シベリウスって 20世紀の作曲家なんだなあと 思った。

こういう音の動きは 家でCDを聴いていても 気づかずに終わってしまうので やはり コンサートはありがたいなと思う。

音楽が律動的になって トランペットが なると うーん これが 北欧の光か と思ったり いや なんでも北欧の光に結び付けるのは 短絡的か と思ったりしながらそれを聴いていた。

でも こういうところの 金管の 響きは フィンランディアの きらきらした 響きを思わせるものがあることも また 事実だと感じた。

第二楽章

ここは 弦のピチカートが印象的。

ショスタコーヴィチの5番の第二楽章もそうだったけれど 今年の名フィルの定期は 第二楽章で ピチカートが印象的な曲が多いのか と思った。

コンサートで聴くと 音の分離がよくわかるので 聴いていて わくわくする。

音の掛け合いがうまい 演奏だと思った。

ただ、ピチカート以外のことは 一晩寝たら忘れてしまった。

まあ 牧歌的な 音楽だったとは思うけれど。

第三楽章
ホルンがプログラムの楽曲解説に 振り子のように揺れるモチーフと書いてある旋律を奏でる。
この旋律は 3つの音を単位にしているように 僕の耳には 聴こえて その 3つの音が延々と連続して続いていくように思えてくる。

ベートーヴェンの月光ソナタの第一楽章のように、、、。

そういえば 秋に 名フィルの定期で聴いた プロコフィエフのバイオリンコンチェルトでも3つの音を一単位にして ずっと 続く場面があったっけ などど 思いながら それを聴いていた。

僕自身 同じパターンを繰り返しがちな性格なので 同じ音のパターンが続くと なんだか 心が落ち着く気がする。

この楽章は 第一楽章よりもさらに 細かい波で 弦が 音を奏でる 場面があったけれど そこで かなり 小さい音が出ていた。

ああ、 音を小さくすることを意識しているんだな と思った。

けれど 小さくて かつ スリリングなら もっと 息をのんだと思うけれど うまく 音を絞っているな とは 感じたけれど そこに スリリングさが加わればもっとよかったのに と思いながら 聴いていたことも また僕にとっては事実だった。

曲の最後は 6つの音を 打楽器的に鳴らして終わるのだけれど その 6つの音は かなり長い間隔を置いて 奏でられる

その間隔で 指揮者の ブレスの音が かなり 聴こえた。

ああ ブレスの音が聴こえるほど 指揮者が集中しているんだな と思ったけれど その割には 出ている音は ちょっと ふやけた感じのところもあり 指揮者の気合の空回りか それとも オーケストラが 指揮についていってないか ちょっと微妙 という感じで演奏が終わった。

でも シベリウスの5番が生演奏で聴けて良かった。

シベリウスのシンフォニーはベルグルンドさんと クルト ザンデルリングさんの全曲集を持っていて 結構 家で聴くことは 多いのだけれど、生演奏は2番は 数えきれないくらい聴いているけれど そのほかでは1番を 大阪センチュリー交響楽団の定期演奏会で聴いた記憶があるくらいだ。


ショスタコーヴィチの生演奏を聴くと やはり 20世紀の音楽は CDで聴いていても聞こえない音がいっぱいあるな と思う。

シベリウスも 5番を聴くと やはり 生演奏でなければ聞こえない音がたくさんあるなと思った。

帰りは 駅まで歩いたけれど もう 街は クリスマスのモードだった。

■クリスマスイブ
山下達郎さんの「クリスマスイブ」をカラオケDAMの音源で歌いICレコーダーで簡易に録音したものをアップロードします。

聴いていただければ幸いです。

日本のクリスマスソングでたぶん 僕は この歌が一番好きと思います。

いろんなところで聴いた記憶がありますが 関西でたぶん京都から大阪に向かって、夜に自動車を運転していてラジオから流れてきたときに 特に いいな と思いました。

↓山下達郎さんの「クリスマスイブ」をカラオケDAMの音源で歌いました。