10月14日は京都コンサートホールに京都市交響楽団第683回定期演奏会を聴きに行った。
指揮は太田弦さん
最初に演奏されたのは
ラベル スペイン狂詩曲
終曲 祭りを聴いていて スペインということも思ったけれど 何となく 地中海 というイメージが心に浮かんできた。
ヨーロッパの地中海に面した地域というのは こんなイメージではないかと心の中で想像していた時間が あった。
といっても 地中海って見たことないから 過去にきいた音楽などから僕が勝手に作ったイメージだけれど、、、。
いい演奏だったけれど 時折 弦楽器の響きがもう少し豊饒なものであれば、、、と考えていた時間があった。
次に演奏されたのがピアノ アレクサンドル タローさんで
ラヴェルのピアノ協奏曲ト長調
ジャズ的な要素の 強い曲だと 生演奏を聴いて 改めて思った。
けれど 演奏も なんとなく ジャズ的な要素の強いものだと感じた。
ピアノのアレクサンドル タローさんはアンコールを二曲演奏してくださった。
一曲は 知らない曲 二曲目も知らない曲だったけれど 聴けば エリックサティに違いないと感じられる曲だった。
ジャズ的な ピアノ協奏曲の後に 演奏されたせいも 多分にあると思うけれど クラシックの演奏を聴いているというよりも クラシック ジャズなどいろんな ジャンルにまたがった 多彩な演奏を聴いているというイメージだった。
多分に 僕の 主観的なものだけれど 聴いていて ピアノを演奏する方の よって立つ基盤はどこにあるのか というのが ちょっとわかりづらいな と思った。
単に 好きかどうか ということであれば 僕にとっては ちょっと 範疇不明の 演奏で わかりづらいな と感じた。
20年か30年くらい前に キースジャレットの演奏する ショスタコーヴィチの24の前奏曲とフーガのCDを楽しみにして 買ってきたけれど 聴いてみると 僕にとっては 少なくともクラシック音楽の専門家の演奏ではないという感じがする範疇不明の演奏で よくわからないな と感じたときのことを 心の中でなんとなく思い出していた。
20分の休憩をはさんで次に演奏されたのが
武満徹 波の盆
武満徹の音楽を聴いて 初めて 心から 楽しいと思った。
弦楽器の音を聴いていて マーラー交響曲第五番のアダージェットを心の中に思い浮かべた場面が何度かあった。
テレビドラマの音楽のようだなと思っていた時間もかなりあったけれど 家に帰ってきてプログラムの解説を読んだらもともとテレビドラマの音楽として作曲されたものを演奏会用組曲にしたもの という主旨のことが書いてあった。
それで 楽しいと感じられたのかもしれない。
最後に尾高尚忠の交響曲第一番が演奏された。
プログラムに第二楽章は 2005年に楽譜が発見され ほんのわずかの補筆を行った後に2006年外山雄三指揮NHK交響楽団によって世界初演されたと書いてある。
この書き方だと補筆をされたのは たぶん 外山雄三さんと思われるから 先般亡くなられた外山雄三さんのことも思い出して少しジーンときた。
僕には記憶が連鎖するくせがあって 外山雄三さんと書いて まだ20歳代のころだったと思うけれど 知り合いのおじさんに 名古屋のホテルで 和食をおごってもらったときに そのお店に 外山雄三さんが きていたけれど とても日本を代表する指揮者という感じではなくて ごく普通の 紳士風の方が 食事をしている という感じで ちょっと感心してしまったことを思い出す。
さて その尾高尚忠 交響曲第一番の演奏中、リヒャルトシュトラウス 特に 英雄の生涯を 心に思い浮かべて聴いていた 場面があった。
曲の冒頭で 指揮者が 腕を振り上げたとき ああ これは 大きな音が出てくるな と思ったら やはり 大きな 音が出てきた。
そのさまを見て 最近 指揮者よりも オーケストラのプレイヤーを見ていることが多い僕だけれどなぜか 指揮者に 注目してしまった。
先月 沖澤のどかさんの しなやかな 動きを見た後で 指揮者の動きを眺めると 力をためて はきだす という イメージが 強いな と思った場面が何度か あった。
しかし やたら 指揮台でダンスをしたりとか そういう 変な? 癖がないな 安定した 指揮ぶりだなと思った。
そして 指揮の気も よくオーケストラに伝わっていると感じた。
将来 この人なら 安心して聴ける というタイプの指揮者に なられるのではないだろうか と思って演奏を聴いている 場面が何度かあった。
いい演奏会だった。
演奏会が引けて 四条まで戻ってきて 牛丼のチェーン店に入って店員さんに
「ウエットティッシュありますか」と僕が言ったら
「これです」 と普通の紙ナプキンを店員さんは僕に見せた。
「ああ ドライですか」 と僕が言ったら
店員さんはちょっとためらって 「はい ドライです」と言った。
「それなら 結構です」 と僕は言った。
帰りしなにその店員さんが 大きな声で 「ありがとうございました」 と言ってくれた。
ひょっとしたら ドライ が受けたのかも知れないと思った。
それはともかく いちにち いちにち 無事でありますようにそれを第一に願っていきたい。