硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

お堀の大怪魚。

2017-05-18 21:47:30 | 日記
少年時代、釣りばかりしていた時期があり、当時の僕にとって漫画「釣りキチ三平」はバイブルであり、妄想はひどく「釣りが仕事になんないかな」と、夢見ていた。

もう何十年も前の話であるけれど、「釣りキチ三平」の物語の中で、三平君の住んでいる近くのヘラブナが釣れる池で、頭がワニでしっぽが魚という生き物に釣ったヘラブナを食われたという噂を聞き、三平君が確かめるべく、知恵と工夫を凝らしたタックルで、その頭がワニでしっぽが魚という得体のしれない魚を釣り上げるという物語があった。

釣り上げた魚の名は「アリゲーターガー」

少年だった僕は、「そんな魚がいるのか! 釣ってみたい!」と思ったものだが、生息地が北アメリカだというから、日本でそんなもの釣れるわけがないよなと諦めていた。

しかし、近年、この名をニュースで聞くたびに十数年前に物語を通して外来種の放流について注意喚起をした矢口高雄さんの言葉は観賞用として飼う人の心までは届かなかったのだなと思った。

お金を出して購入したのに、飼いきれなくなって放流してしまう。生き物であるにもかかわらず成長することを予測しない。自身が満足さえすれば、あとは社会や自然に放り投げてしまう。ただ、消費する為だけに行われているのである。
池や川にひっそりと生きていれば、誰にも迷惑は掛かってないかもしれないけれど、目に見えないものは、大きく変化していても誰も気づかない。

しかし、その変化は完成を遂げた時に、初めて人に多くのものを失ってしまったことを気づかせるものなのかもしれません。

トレードオフを選択し続けた先に、はたして、幸福はあるのでしょうか。