とうとう本当に終わっちゃいました。
ほんと王様の最期や彼の娘達、そして気になっていたエンリケとカタリナの事等、知りたかった読みたかったことがぎゅ~っと凝縮され、なんか女太閤記カスティリア版を読んでいる感じでした(笑)
あらすじなどは
アルカサル-王城-完結編(前編)でも書きましたので省きますが、後編の感想などを少し・・・
※ネタバレしてます
前編でドン・ペドロの死までいっちゃったのと、先生の日記でも「後編は彼の娘達のことを書く」とあったので、たぶん彼らの孫同士の結婚までは書くんだろうな~と予想していましたが、その他の近隣国の事情なども丁寧に書かれていて、混沌としていたイベリア半島史を読者に少しでも判りやすいようにと、配慮されているのが感じられました。
う~ん、確かにそこまで書かなかったら、何故敵対していた両方の孫同士の結婚がなし得たのが判り難いですもんね~
あれまで詰め込んだら、ダラダラと説明に頼りがちになるところを、ちゃんと説明とストーリーをしっかり分け、「漫画」として纏められているのにやっぱりこの人は凄い!と思ったくらい
庶子であるエンリケの血統は王位略奪者という汚名を拭い、王位の正当性を主張する為、そしてペドロ直系のコンスタンシア側はドン・ペドロの名誉回復とペドロ直系の王位復活いう2つの思惑が重なった訳ですが、コンスタンシアにとったら何せ父の仇だからね~よく決断したなと。
河惣さんの「花巡礼」でも王家の血の存続というものに拘りがありましたが、絶対王政が確立していなかったあの時代でそれを残すという事は何にもまして大変で大切な事だったんでしょうね。
血の融合での和解や存続というのは古今東西ありますが、これがあったからこそ、後のスペイン王国の礎になった訳ですから、周りに推されたとはいえ、その決断にはある意味、政治的才能すら感じました。
ちょっと話がズレました
さて気になっていたカタリナですが、ああいう形での登場とは恐れ入りました。
エンリケの独占欲にも似た愛の為、不幸を強いられた彼女に対し、最初の頃はボルジア兄妹を少し連想しましたが、なんか気の毒すぎました、カタリナ。
あの関係が史実なのか創作なのかはわかりませんが、その強さがあるのなら、生きているうちに出せば良かったのに・・・と思いながらも案外あのカタリナの亡霊はエンリケの後悔の表れなのかなとも思ったり・・・
でも亡霊でも登場してくれて良かったな・・・
だってコンスタンシアとイザベルだけで話が終わったら、カタリナのことが気になった読者はたくさん居たと思うから(苦笑)
それにしても、主要キャラが全部死んでしまうというのは悲しいもんです
ロペスは性格上、ああいう最期だろうな~と感じていたけど、ペドロ派で唯一生き残った、ロドリゲスも不慮の事故で亡くなるし・・・
でも中年に差し掛かった、彼、カッコよかったわ~
若い頃はいかにも「良家のお坊ちゃま」だったのに、苦労が彼を変えたのかしら?渋みが出て、いいオジ様になってた(笑)
この後編は本編と前編と違い、女が主体という感じがしました
ブランシュ姫なと道具のように扱われた政略結婚で不幸になった女性も多々いたのは確かなんでしょうけど、やはり女っていうのは歴史を裏から支えているんだなぁと改めて思いましたね
コミックスが出たもう一度通して読んでみようっと