すずめ休憩室

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気の向くままにつづってみました。

北海道葬式事情

2008年01月27日 | どさんこ・ご当地ネタ
冠婚葬祭はご当地色がでるものの1つですが、北海道のお葬式のお話
私は生まれも育ちも北海道という、生粋の道産子のため、本州以南のお葬式は出たことがないので何処が違って何処が同じかは判りませんが(笑)

まず先祖に開拓民が多いせいか、冠婚葬祭関しては「相互扶助」というものが根底にあります。なので亡くなると葬儀屋さんに連絡し、遺体の搬送をお願いした後は


北海道葬式①葬式の主体は町内会
今は葬儀屋さんが全てをしてくれるトコロも多くなりましたが、北海道のお葬式では喪主はお寺との打ち合わせはするものの、雑事の手配はしません。殆どが町内会単位で動きます。葬儀委員長なども故人が現職の場合は会社関係者が勤める場合もありますが、たいていは町内会長さんがするのが通例。通夜振る舞いの炊き出し(食事)や会計など裏方は町内会の人がしてくれます。
但し、ウチの祖母の時のように家族葬や密葬の場合は、それらをお断りし、全て家族でしなければなりません

北海道葬式②死んだら新聞のお悔やみ欄に載る
相互扶助の観点からなのか、新聞に通夜告別式の日程が載ります。
住んでいる町内会には訃報の回覧が廻り、お手伝いする人が集まります。場所によるんでしょうけど祖母が住んでいた町では訃報の町内放送までかかったり、遺族が希望すれば新聞に訃報の折込チラシが入ります(爆)
勿論密葬を希望する場合はこれをお断りしなければなりません

北海道葬式③葬儀会場は公民館や市民斎場、またはお寺
上記②の様に広くお知らせするので、通夜告別式にはたくさんの人が集まります。
故人と交流のあった人以外にも遺族の勤め先の人とか友人知人、勿論近所の人も。なのでとんでもなく多い人を収容しなければならないので近くの公民館や専用の斎場で行うことが殆ど。
自宅で行うのは家族葬や密葬の場合のみです

北海道葬式④香典を出すと領収書がついてくる
上記③のように多くの人が集まる他に、葬儀には参列しないものの香典だけ出す人が多い。会社などでも慶弔規定を設け、亡くなった人の親等により香典代を決めているところもあるので、領収書は必須。
会計担当の人(主に男性)の人が受付で受け取ると、その場で金額を確認し領収書を書いてくれます

北海道葬式⑤記帳はしない
上記④の香典袋には予め住所、氏名、金額を書いて持って行くので、参列者が改めて記帳をすることはありません。受付の人が香典袋を元にすべて台帳に記入してくれます。
なので遺族はこの台帳で誰が来てくれたかを確認し、喪中葉書を出したり、のちに誰かか亡くなった場合、この台帳を見て、いくら貰っているかを確認し、同額を香典として渡すことが多いです(香典は預かり物という感覚)

北海道葬式⑥香典返しはなく粗品
本州での香典返しは「半返し」「全返し」ということがあるそうですが、北海道では「会葬御礼」の葉書と粗品のみ。たいていお茶や砂糖、海苔など軽くてかさ張らないもの、金額にして500~1000円程度のものです。
職場や親戚などへは後ほど金額に応じ、菓子折りや金額相応の品を贈りますが、一般参列者には粗品と葉書のみです

北海道葬式⑦喪主挨拶は告別式のみ
通夜の席で僧侶による読経、そして故人に縁のある話が済むと葬儀委員長と遺族が前に出て出て「葬儀委員長挨拶」というものが行われます
悲しみにくれている遺族に代わり、葬儀委員長が故人の誕生から没するまでの来歴などを説明し、喪主は横で黙って立っているだけ。喪主挨拶は告別式当日にするだけです。
なので道産子は親が亡くなる前にどういう経歴を過ごしてきたか、ちゃんと聞いて置かなければなりません

北海道葬式⑧花輪は生花
花は全て生花を使います。原色の花はないけど白花の他にも薄い色なら黄色や紫、ピンクなどの花も使われます。(仮通夜の枕花は白花のみ)
親族などは香典の他に「花輪」を出したり、「供花」を別途出す場合が多いですが、葬儀会場が狭い場合は花輪の数を制限し、供花料を戴いた方に対しては「供花 ○○△夫」などと書いた紙を張り出します
花輪に使われている生花は出棺時の最期のお別れのときに遺族が手でちぎり、棺桶にいれます
なので棺桶の中は六道銭(ろくどうせん) 、故人が愛用していた遺品、花などで埋め尽くされます

北海道葬式⑨親族一同で記念写真を撮る
通夜の儀が終ると、喪主施主を中心に祭壇をバックに親族全員の集合写真をとります。四十九日が終るとこの写真を引き伸ばし、故人の写真と共に装丁をして、親族に品物をつけて贈ります。
今回の祖母の時は家族葬で自宅だったので写真は撮りませんでしたが、祖父の時の写真を見ると自分とどう繋がっているか判らない親戚も写っているので後で聞く羽目になったりします(苦笑)

北海道葬式⑩告別式、出棺、火葬、繰上法要も同日に行う
出棺が終わり、お骨となって戻って来たら、骨上げ法要(繰上法要)がすぐに行われます。繰上げとは本来四十九日まで7日ごとに行われる法要を纏めてしてしまう法要のことで(7日ごとのお参りとは別)これが済んで葬儀は一切終わりとなります。
(これが終っていることが前提で納骨も49日前に出来る)

本来亡くなった人は四十九日までは霊となり、この世のお別れをの準備をするとされていますが、北海道ではこの繰上法要の段階で既に「仏様」なので(骨になったら仏様という解釈らしい)香典も通夜告別式までは「御霊前」と書くのに対し、繰上法要の時には「御仏前」と書くのが通例。繰上法要の後は会食があり、忌中引きと呼ばれる品物を参列者とお手伝いにお礼代わりに差し上げます。

北海道葬式⑪場所によって火葬が先のところもある
函館は、火葬→通夜→葬儀という順番なので、一歩遅れると最後のお別れが出来ないときも・・・
なんでも洞爺丸台風や函館大火の時に多数の死者が出て僧侶が間に合わなかったためこういう風習が出来たという説があります。
私の体験しているお葬式は通夜→告別式→火葬→繰上法要という順です

北海道葬式⑫法事の時は黒飯
慶事には赤飯(せきはん)なら、弔事には黒飯(こくはん)というのは当たり前だと思っていたのですが、これも北海道だけなのかしら??赤飯は小豆の茹で汁や色粉で赤くしたもち米を蒸かしますが、黒飯は黒豆をいれ、色をつけずに蒸かしたもの。
葬式の最中は普通のご飯やオニギリが多いんですが、法事になると殆どこの黒飯がつきます。薄い塩味でもっちりしてて結構美味しいんですが、弔事の食べ物なので滅多に食べることはありません


どうですか?
北海道では一般的な葬式の内容だと思うんですが、皆さんの御住まいの地域と違ってますか?

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29 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
たれぞーさん (ひいらぎ)
2008-01-27 07:52:52

心よりご冥福お祈り申し上げます
たれ様もお疲れでしたね
私も祖母を亡くして何ケ月の身です
父が喪主で色々と大変でした
香典の集計も大変でした、自宅でしましたが
従姉妹達が全部してくれまして、最高の葬儀だったと
思います。祖母も喜んでいます。
もちろん家で色々手作りしましたよ
黒飯ですか、どんな味なのかな?
何から何まで教えてもらうことの連続で
そこで色んな人に出会えてまた嬉しかった
新しい出会いもあって
わかります、私もはじめて会う親戚が多かったので
誰?状態でした。が、三日もいるとだんだんと
わかってきます。
たれ様もお父様もどうかお疲れがでませんように

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今では家族が主流で・・・ (せっちゃん)
2008-01-27 08:47:20
ご高齢だったので、あえて、お悔やみは申しませんが・・・

私も内地に来て、北海道の身内の葬儀に何度か出ましたが、近年は、昔のように町内会などはあまり動いてはくれないようでした・・・?

私は、職業柄、身内の喪服の手配から通夜の配膳までてんてこ舞いでしたよ・・・ハハハ

その点、内地ですと葬儀場で全て行ってくれますので簡単なようでした・・・『お別れの会』なるもので、献花をしたり、焼香だけで終るようです。

北海道の葬儀で何時も思うのですが、本家では香典を頂いて、台帳に付けてその同額を包めば良いのでしょうが、私のように外に出ている者ですと出て行くばかりで・・・(苦笑)
知らせて来られたら知らない顔も出来ず・・・この年になりますと殆ど年間を通して5から6回くらい不祝儀がありますよ・・・(本音を漏らしてしまいました・・・笑)
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気を使わないでくださいな (たれぞ~)
2008-01-27 09:38:01
ひいらぎさん
ごめんなさいね、こういう記事なのでお気を使わせてしまったようで・・・
下の記事でも書いてありますが、祖母は希望して旅立っていったので、私たちは悲しまないことにしているのです。
なのでお悔やみ等、あまりお気を使わないでくださいね

ひいらぎさんもお祖母さんを亡くされているのですね。大変だったでしょう。
北海道は家族葬を希望しない限り、町内会が動くので、自宅でお葬式を出すって結構大変なんだなと感じました。
本州出身の人はさほどおどろいては居ませんでしたが、親族だけといっても狭い家に何人も来たら、ギチギチでしたよ(苦笑)
本州の人の家って皆さん広いんでしょうか?(笑)


せっちゃん
健康で長生きというのはとても嬉しいことなんですが、やはり病を抱えて・・・というのは見ている方も本人も辛かったようです
眠るような顔だったのが救いですね

北海道のお葬式もだいぶ様変わりをしてきましたよ。
斎場で全部揃っているところもあって、食事もすべて専門の人が・・・というところも増えてきています

楽だけど・・・・お金もそれなりにかかります(爆)

本州の方が感簡単なんですか?
意外だな~
秋田なんかは1週間宴会が続くと聞いたり、違うところでは誰でも葬式に出ることが出来ない(お使いの人が来ないと出れない)と聞いていたので、もっとしきたりだらけかと思ってました

葬式は相互扶助なので、生きている者の勤めなんでしょうね~私もいずれ控えているので、今のうちに勉強しておかないとと思ってます
その日が来るのが遠いことを祈りながらね・・・(笑)

>台帳
外に出ていると、そういう点は大変ですよね~
でもウチも同じよん
親類は知らせが来るのでまだいいけど、他の参列者のことのあるからそちらも不義理は出来ないし、故人を出すと毎日新聞でチェックですがな

ウチは親類が少ないから、まだ楽なほうなんですけど、多いところはきっと大変なんだろうなと思います

せっちゃんトコは年に5~6回もあるなら大変ですよね~
ウチは親類は年1あるかないかだもんな(苦笑)

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いろいろと (まちるだ)
2008-01-27 12:16:18
大変でしたねー。おつかれさまでした。

家族にとってはいくつになっても死は「早い」と思われるものですが
一般的に90代というとやっぱり大往生になりますよね。
きっとみなさんに送られて幸せにおなくなりになったことでしょう。

お葬式事情、ほほーと思って読ませていただきました。
私は実家にいた頃、曾祖母がなくなってお葬式を出したことが
ありますが、いかんせん高校生だったので何がどうだったのか
あまり詳しい事情はわからず。。。
でも北海道と似たところはあるような気がします。

ちなみにたれぞ~さんのお返事コメントで
「秋田は一週間宴会」と見て笑ってしまいました!
もしかしたらエリアによってはそういうところもあるのかも。
(うちは違います。笑)
見栄っ張りで酒好きな秋田県人なら、
葬式でもみんなに食事をふるまって、飲んでしまう、
悲しい性があるのでしょう。。。。笑。
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馴染みだらけ。 (まゆら)
2008-01-27 17:52:27
お祖母さんの安らかな旅立ちを、みなさま穏やかに送り出されたとのこと。大往生でしたね。

ワタクシも、「生まれも育ちも北海道」なので、
たれぞ~さんがあげられた12項目、すべてが馴染みです。実家も函館なので馴染みです。
他地域の葬式事情は、私も知りたいです。


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お葬式 (ひぃ)
2008-01-27 20:22:24
おばあちゃん、お悔やみ申し上げます<m(__)m>

私は2年前の12月に祖父が亡くなりました。
今は葬祭会館がたくさんできているので、
どちらかの葬祭会館を使って葬儀を行うことが多いです。
でも、葬式自体をしきってないのであまり細かいこがわかっていません。(苦笑)
流れは体験しているのでわかるのですが
通夜→告別式→火葬です。で、最近になってこの日、一緒に初七日を済ます事が多いです。祖父の時もそうでした。
しかし・・・たれぞ~さんはしっかりと覚えていますね。大事な事です。私もちゃんと知っておかないと、改めて思いました。
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お疲れ様です。 (ひろし)
2008-01-27 20:29:27
祖母さまにはご冥福をお祈りいたします。

いろいろ・・・お葬式にはあるんですね。

う~長くコメできずにすいません。
お疲れさまでした。。。
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大変でしたね (アヤネ)
2008-01-27 20:48:10
お祖母さんがお亡くなりになられたんですね。
そうですか~寂しくなられましたね。
それから、たれさんお疲れ様でした。
ゆっくりされますように。
本当に大変でしたね。

私の実家のあたりでは、いろいろですが
父母の時は、お葬式の時の受付は町内会の役員。
(あとで、お弁当持ってお礼にいきます)

葬祭会館で、お通夜→お葬式をしました。
その後、タクシーで親族が火葬場へ。
香典に領収証は書かないし、記帳します。
香典返しは、全額。写真は撮らなかったです。

黒飯は、黒蒸しとも言い、法事のとき、
お菓子と一緒に持って帰っていただきます。
法事で使った、お花やおもち、お菓子も分けて
親戚の方々に持って帰っていただきます。

お香典をもらったら、「祖供養」として
商品券などにかえて、後日全額お返しします。

やはり、土地柄で、いろいろありますね。
派手にされるところもあれば、
兄弟だけというところも。。

去年なくなった叔父は、病院に献体したので、
お葬式はしなかったです。
(校長をしてたので、お葬式はわざと
しなかったらしいです、考え方ですね~)
生前に病院に登録してたみたいです。
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お疲れさまでした。 お疲れさまでした。  (あまりわかってないB型)
2008-01-28 01:51:14
ずっと更新がなかったのはそういうわけだったのですね。
しばらくは落ち着かないかと思いますが、ゆっくりされて下さいね~。


私自身は、まだそれほど葬儀に参列した経験がないので、段取りなどはよくわかってないことが多いのですが・・・。
今住んでいる地域では、回ってくる訃報回覧を見た限りでは、会場は斎場やお寺がほとんどのようでした。
町内会館の利用規程には「冠婚葬祭にも使うことが出来る」と一応書いてはありますが、近くに斎場があることもあってか、葬儀に使われたことはないみたい。
10数年前に他所から移ってきた住民が多い地域のせいか、自治会から一定額の香典は出ますが、葬儀の手伝い等はしないようです。


そういえば、子供の頃に数ヶ月間だけ住んでいた地域での話ですが・・・。
その日遠方から引っ越して来たばかりの我が家(借り上げ社宅)に、町内会から人がやって来ました。
まだこちらから挨拶にも行かないうちに、親切にもその地域のことを教えに来てくれたのかと思えば・・・
「隣家で夕方から行われる通夜の手伝いに来るよう」と。
転入手続きなどで留守にしていた両親に後で伝えると、やはり困惑してましたね~(苦笑)。
結局「ここは因習の強い土地ですから!」と言われて駆り出されて行きました。
30年以上前の話で、今はこんなことしてないかもしれませんが・・・。
葬儀というと、いまだにその一件が思い出されます(苦笑)。
返信する
ご愁傷様です ()
2008-01-28 11:51:34
ずっと、更新されなかったので
病気なのか。。。と、心配してたのよ
色々大変だったと思うけど、たれさん自身は元気で何よりです

>お葬式
父方の祖父母が早くに亡くなっているため
我が家では何十年とお葬式を出していません
(でも、父の年を考えると。。。覚悟してなくちゃ)
だから、今のお葬式事情はさっぱり???
ただ、デパートにいた関係でお返し事情だけは
ちょっと詳しいですよ~
もっとも、ほとんどの人は葬儀屋まかせなんで
香典返しをデパートに頼む人は少数派ですが。。。
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