我が家には、5本のプラムの木がある。あまり同時に実っても食べ切れないと思いそのうちの1本は晩生の木を植えた。其れが6年前のことである。2年ほど前から実を付けるようになったが、少しもプラムの味がしないのである。
娘は誤って台木が育ったのではないか、という。私は密かに土壌が悪いのではないかと、不安に思っている。母屋の屋根をふき替えたとき粘土を除いたのでその土がそのまま、軒下に溜まっている。それに北西の角で日照時間も十分とは言えない。運が悪ければ交雑してしまったのではないかとも思ってみる、それほど味がオカシイのである。
私は、あまりにも悪い条件が多いので、切ってしまおうと思った。娘に伝えたらどうやら娘は、切らずにこっそりと育てていたらしい。私の記憶にある一本の立ち木が10本に枝分かれしていて、花がびっしりとついた写真を見せてくれた。植物栄養を専攻し現在も研究者の端くれである娘は果樹には弱いと云いながらも何も講じないで、切ってしまうということはありえないことなのだろう。
さて、今年の味はというとやはりおかしいことには変わりない。色は暗紫色でプラムそのものであるが、形は中央を押しつぶしたようで、柿の富有に似ている。試に追熟期間を少し長くしたらチョット味が良くなった気がする。
どちらにしても、美味しくなるまでに、まだまだ時間がかかりそうである。(E)
水切り中の田