茜 (あかね)雲に魅せられて家内がカメラを向けました。茜雲といえば、岸恵子の『パリの空は茜色」が有名ですがここは愛知県北部の茜雲です。
そういえば、この日(9月27日の午前11時頃御嶽山が噴火しました。この散歩中も東の方を探しましたが見えませんでした。蛙くんの自宅から犬山高校補方面へ行くには木曽川の左岸堤防を東に向かって走るわけですが、ある時期、毎朝フロントガラスの中央に白銀に輝く御嶽山を見ながら走っていました。
蛙君が初めて御嶽山に登ったのは大学1年の時,高校時代の友人とでした。麓の山荘で前泊、ゆったりした日程で夕方までに頂上の山小屋にたどり着こうという計画でした。御嶽山は信仰の山です。山頂には御嶽教の総本山にあたる荘厳な神社があり信者さんたちの参拝が続いていました。そんな中、私たちの目をくぎ付けにしたのは、赤ちゃんを抱いたお母さんが神殿前にうずくまり、そのお母さんを取り囲むように立っている白装束の男たちの姿でした。男たちは先達を務めるようなリーダー格の人たちでしょうか。低い声で祝詞のような言葉を一斉に唱えていました。途中で激しく鉦を打ったり団扇太鼓のようなものを鳴らしたり、突然ほら貝をブオーと吹いたりして気を引きます。岩山の社の前でこうした祈りをささげるということに鬼気迫るものがあり私たちも打ちのめされていました。あの山から噴煙が上がったら間違いなく神様の怒りです。それもそうでしょう。大人が幼児をころすような社会になってしまいましたから。
帰り名古屋駅に着いてから名鉄百貨店の屋上へ階段を登ろうという友人がいてエレベーターを使わず一歩一歩階段を上って屋上に到着、大ジョッキを傾けました。聞けば名鉄百貨店の屋上が標高92mとかでこれで3000m踏破達成となったということでした。だから御嶽山は標高2900mちょっとということでしょう。《数字は少しあいまいです.ゴメンナサイ》今考えれば当時私たちは全員19歳と何か月という年齢であったのになぜかビールの美味しさを十分知っていました。