11月26日、江南市宮田神明町公民館へ行って来ました。ここで、宮田神明町有志住民の手に寄る郷土史研究会の第一回講演会があったからです。研究会の正式名称は「壬申の乱を勉強する会 神明実行委員会」。
会発足のきっかけは、江南市在住の倉橋寛氏が小説「赤き奔河(ほんが)の如く」を出版されたこと。この小説の主人公が、壬申の乱で活躍した村国男依(むらくにのおより:『日本書紀』に登場)で、彼の出身地が江南市の川向うの各務原市で、その上神明町の隣の村久野(むらくの)町は村国からきた名前ではないかということから、謎とロマンに富んだ郷土史を研究しようと有志が立ちあがったのだそうです。聞くところによると、この会に結集した有志は、すでに「飛鳥;明日香」への研究旅行も実施されたとか、素晴らしいことです。
この講演会は中日新聞や尾北ホーム・ニュースでも報道されました。下の写真は11月19日の中日新聞です。
下の写真は「尾北ホーム・ニュース」のイベント欄で、当日の朝の報道ということになります。
下の写真は、世話人の人たちが用意したもので、何と回覧板で全世帯に回したのだそうです。ここでは「区長」と呼ばれている町内会長さんも、この研究会の世話人に入っておられて、心強い限りです。これはもう、この地区に備わった力だといっていいでしょう。
下の写真が「講演会風景」です。後でお聞きしたところ参加者は80名、参加者の住所も、一宮、稲沢、岩倉を始め江南市全域に及んでいたそうです。世話人の人たちはてんてこ舞い。椅子・机の増設から受付け場所の移動など嬉しい悲鳴だったそうです。新聞報道の力が如何に大きいか、ということも考えられますが、私はそれよりも、第二の人生に入った人たちの向学心や郷土愛の強さに感動し、私も学ばねばならないと思いました。
講演会は大成功! 終わって質問を受け付けられた時もいい質問がたくさん出され、全員が時間のたつのも忘れて質疑応答に耳を傾けていました。
聴いていて一番感銘が深かったのは『ふるさと宮田の神と仏とその祭り』の編集委員(実質は編集長&主筆)の熊沢氏のお話であったと思われます。現在84歳であられるのに旺盛な探究心と地道な努力。それらを老後の生き方の問題として捉え、淡々とお話しになりました。参加者全員の琴線に触れる励ましであり指針になったと思われます。
小説の作者である倉橋氏は、実は、漫画家でもあり「中日スポーツ」や「尾北ホーム・ニュース」に漫画を連載されています。
ここに「尾北ホーム・ニュース」に掲載されている倉橋さんの漫画を転載しておきます。
倉橋さんの講演も、よく慣れておられる感じでホワイト・ボードを巧みに使い、少しトボケたりしてゆっくりと話されました。欲を言えば、「壬申の乱」当時の全国的な政治状況や国際状況に触れて頂けるとか、小説を書く上で苦労されたところとか、配慮された事項をお話しいただけるともっとよかったかと思われます。
大野さんのお話は、一応、レジュメを用意され、それなりの論旨は決めておられたようでしたが、大勢の高齢者を前にいわゆる「上がってしまわれた」のか、話があちこちに飛び、説明と結論が前後逆になったりして、聞きづらい講演でした。
それでも、全体としては好評で、世話人の方々もご満足の様子でした。こうした研究会が育つというこの圧倒的な逞しさに心から声援を送りたいと思いました。