先日、私たちが住む町の小さな郵便局から、薄い封筒が届いた。心当たりはなかったが、あるとすれば、数日まえ、郵便局から寄付金を振り込んだので、その時何かミスをしたことぐらいだと思った。心当たりがないということは、不安が先に立ちストレスがかかる。早くストレスから解放されたくて、急いで封を切ると中から横3センチ縦10㎝くらいの紙切れが出てきた、振り込んだとき受け取る領収書だった。私は受け取らずに帰ってしまったらしい。思い返してみると、そのとき、最後にお金を崩して貰ったので、気が散ってしまい、きっとどこかに置き忘れたのだろう。それを見つけたスタッフの人が送って下さったに違いない。この時期こんな小さな親切でも心が温まる。
隣の市からこちらの町に引っ越して3年近年感じられなくなった人々の心の温かさをかんじる。ほんの少しの移動だが、何かが違うと思う。
例えば犬を連れて散歩している人に遭う。知らない人だが、挨拶をされる。特に大きな犬を連れた人は、道を開けて、そんなに狭い道ではないが、それでも畦から降りて、田の端で待っていて下さる。毎日近くを通る小学生まで大きな声で挨拶してくれる。大きなスーパーやコンビニの店員さんまでもが親切である。
大分前に新聞で「経済的に豊かになると心まで優しくなる」というようなキャッチフレーズを見たが、今住む町は県の中でもとても豊かな所だと聞く。そして、最近料亭かどこかの豪邸か見間違えるような純和風の保育園が三棟建設された。この町内で育つ子供たちは将来優しい心を持つ人にそだつのだろうか。(E)
散歩道で。