「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」と云うシリーズが新潮文庫にあります。編集はNHKスペッシャル取材班です。
陸軍の幹部さえ「勝てない」と思っていたアメリカに、宣戦布告もなしに、突然ハワイの真珠湾を攻撃したわけです。
当時は今の憲法ではなく、軍の統帥権は天皇にあり、
総理大臣が内閣を組閣しようとしても、陸軍や海軍が納得しないと陸軍大臣や海軍大臣が空席になってしまって組閣できないという状況でもありました。立憲君主制の難しいところです。
我が国では江戸時代が長く続いて、西洋で民主主義が育った時代に惰眠をむさぼっていました。
それから、ペリー提督が軍艦4隻を率いて開国を求め、関税交渉もないがしろに開国し経済が大混乱し、「尊王攘夷」の運動によって明治政府が生まれましたが、
為替レートや関税制度が分からないままに開国し経済は大混乱、
そうしたことを学校で教えず誠に貿易に関して無知な国民を生み出し、
第二次世界大戦の原因となったのです。
その後も我が国は論理的な思考と率直な反省が下手で、
精神主義的な美辞麗句を並べて我が国の歴史として次世代に教えています。
我が国のこうしたオソマツさは同時にマスコミのオソマツさと表裏一体で、
第二次世界大戦へ向かわせた勢力が朝日新聞で朝日は「勝った、勝った」の報道で、売り上げを5倍に伸ばしたとも言われています。インフレもありますからそこは厳密に修正しないと正しくありませんが・・・・・・・。
総じて我が国では、誰が何と言おうと自分はこう思うという真摯な論理展開が少なく、すぐに派閥を作ってその派閥間の論争に歪曲し、論争が終わった後にも結局何が正しかったかはっきりしないまま、論争が終わったりします。
この非論理的な思考形態は稲作農耕民族として、
隣の田圃の人と協力をして同一歩調で田仕事をすることによって豊作を求めたという長い歴史の中で身に着けた思考法で「隣百姓的思考」と呼べるものだとおもわれます。
特徴は強烈な個人の意見はなく、つまり無責任体制なのです。かくして、優れたリーダーが育たない集団になっています。広島の原爆記念碑に「安らかにお眠り下さい、過ちは繰り返しませんから」と書いたのが日本的思考の代表です。つまりこの文章には主語がありません。誰が過ちを犯し、誰が反省しているのかわかりません。少し角が立っても構いません。原爆投下を指令した米軍の総司令官の名前でも彫り込んだらどうだろう。第一次世界大戦後に取り決めた毒ガスの使用禁止や無差別爆撃禁止に違犯しています。これは、国際条約ですから、無条件降伏に違反しませんから今からでも主張すべきです。トランプ流に云えばですが・・・・。失礼しました。(T)
梅雨の晴れ間