花見ウォーキング
今朝。早朝散歩から帰った人が「五条川の桜が満開になっていた」と話しておられたので、カメラを持って出かけました。ただ、チョット気になることは、徒然草137段を紹介しましたので、満開ばかり観に行くと吉田兼好さんに叱られないかということですが、散った後も見に来て満開の桜を忍べば、そんなに、叱られないだろうと思われ、出かけました。
前回のスライドショーからたった4日過ぎただけでしたが、驚くべきほどの満開で、感動しました。
実はオソマツ君は桜があまり好きではない。どうしても、あの、嫌な「同期の桜」と云う歌を思い出し胸が引き裂ける思いがするからである。西条八十作詞だったと思います。
「貴様と俺とは 同期の桜 同じ兵学校の庭に咲く、
咲いた花なら、散るのは覚悟 見事散りましょ 国のため。」
と云うような歌詞だったと思います。この歌を歌いながら「神風特攻隊」として海に散った若い人々のことを思わずにいられない
。この歌詞の「同じ兵学校の」の部分が「同じ航空隊の」に替えられたり「同じ国体の」に替えられたりして幾つもの替え歌が作られ。多くの若者が歌わされ、死を共にすることを誓わされた。(国体≒天皇制を中心とする我が国の在り様)出撃を命じた司令官の胸中を思うと訳が分からなくなる。
西条八十という作詞家も厭な奴に思える。あの時代は日本中発狂していたのだろうか。発狂しやすいのがわが国民性だろうか。
満開の桜を見ても、流れゆく花筏を見ても、オソマツ君は胸苦しくなってしまいます。
終戦後何年過ぎても当時の指導者から、自分たちは何処で間違えたかということについて、何の反省もお詫びもない。当時の指導者は全員が東京裁判で罪を償ったという言葉は信用できない、あの裁判には不備な点も多い。 後世の教訓や注意点とならないからである。
過日ドイツのメルケル首相が来日して「日本は分かりにくい国だと」呟いたと伝えられたが、本当にそうだと思う。
ドイツの場合、ナチスドイツになってしまったプロセスを明らかにし、周辺諸国に謝罪し新しい国に生まれ 変わったと、主張している。アメリカが仕掛けた罠にハマって戦争に追い込まれてしまったというのならそれもいい。きちんと後世に教訓をも残す覚悟で言葉にしおくべきだと思う。
今。気が付いたが、このブログを見ていてくれるうちの子どもたちは「神風攻隊」を知らないと思うので簡単に説明しておく。
今日的に言えば組織的大規模な戦術としての自爆テロのことだ。第二次世界大戦後半、圧倒的な海軍力を誇る米軍に日本は殆ど手の打ちようがない状態に陥った。そこで考え出された作戦が、戦闘機に大きな爆弾を装着して敵の軍艦や、航空母艦に体当たりさせるという作戦だった。もちろん、米軍の艦船からは銃弾が飛んでくる。それにもかかわらず、まっすぐに敵艦めがけて突き進み体当たりして爆弾を破裂させ相手の船を沈めようという作鎖線だった。つまり、飛び立ったら最後生きては帰れないという作戦で、司令官は、それを命令した。
「聞けわだつみの声」と云う戦没学徒の遺稿集がある。 出版は昭和24年で出版と編集は東京大学協同組合出版部である。渡辺一夫、真下真一、小田切秀雄等、後の我が国の思想界をリードした錚々たる人たちが名を連ねている。オソマツ君は昭和27年高校入学で、現代国語の先生の推薦でこの本を夕暮れ迫る学校の図書館で涙を拭きながら読んだ世代である。
蛇足ながら「わだつみ」とは海神を表す古語である。