宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

宇宙はシャボン玉

2010年12月09日 00時28分08秒 | 宇宙

観測デッキに寝転がって、ぼんやりと星空を見上げていた。

 

僕らの住む宇宙は、10次元空間に浮かぶ3次元空間の膜だそうだ。それも、何にもないところから突然生まれ、急激に膨らんで今の大きさになったと言う。ずいぶん頑張って想像してみた。何となく、いつか竹取庵の観測デッキで飛ばしたシャボン玉が思い浮かんだ。ストローの先で生まれ、次第に大きくなるシャボン玉。やがてストローから離れ、ふわふわと揺れながらみかんの畑の上を、風に乗って運ばれてゆく。その膜の表面に漂うのは、虹色の模様ではなく無数の銀河だ。

 

この宇宙は本当にそんな姿なのだろうか。思いも付かない広大な10次元空間に漂う、小さなシャボン玉の表面の、さらに小さな小さな銀河の一つ。その光の渦巻きの端くれの、もっと小さな空間で、ある時ガスの中から星が生まれ、その星の周囲を回るわずかな土くれの上に、僕らは生を得た。シャボン玉がストローを離れてからその時までに、140億年近い時間が流れていた。本当だろうか。

 

宇宙は、自分を見てもらうために僕らを産んだと言ったヨーロッパの科学者がいた。それは違うと思う。もし自分の姿を見せたいならば、それが目的ならば、僕らは特等席に生まれていたはずだ。こんな宇宙の辺境に居るはずが無い。

 

僕らはきっと、偶然に偶然が重なって、何かの弾みで生まれたんだ。だから宇宙は、僕らをかき消すのに何のためらいも無いだろう。僕らは、シャボン玉の表面にほんの一瞬生まれた、虹のひと色でしか無いのだから。

コメント (2)
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