宇宙(そら)に続く丘

プレリュード小学校1年C組のしりとりちーが案内する宇宙への道
みかんの丘は不思議へ通じるワームホール

牡牛に乗ったビーナス

2012年04月10日 00時09分45秒 | 

空にはどんよりとした雲が垂れ込めていた。見渡せばあちこちで雨がなだれ落ちている様子もうかがえる。移動性の高気圧が差し掛かって、軽い冬型の気圧配置になっているのだ。日が暮れるのが早いか、高気圧がやって来るのが速いか。なんとなく期待しながら竹取庵の屋根を開けようとして気が付いた。大きいほうの屋根が動いている。
竹取庵の屋根の重さは大小合わせておよそ2トン。大きいほうは長さが短いだけに少し軽いが、それでも1トン近くある。それが一度浮いて北にずれていた。それ以上動かなかったのは、こんな事も有ろうかと滑車の横に外れ止めを付け、二つの屋根をロープで繋いでいたためだった。爆弾低気圧の影響は杉木立ちだけでは無かったのだ。

屋根の位置を直している間に外がすっかり暗くなっている。頭上に広がる濃紺の空。やった、高気圧の移動のほうが速かった。西の空にひときわ明るく輝く金星。木星との距離がずいぶん開いている。カメラを赤道儀に取り付けて構図を取ろうとファインダーを覗くと、金星のすぐ下にもやもやとした星の固まりが見えた。駆け足のビーナスがプレイアデスの姉妹のところへも立ち寄ったのだ。

 


カメラ感度800、絞り3.5、露出4秒。写し取った空には牡牛の頭ヒアデス星団のV字も見えていた。ビーナスは今ちょうど牡牛の背に乗っている。どこへ行こうというのだろう。久々に深宇宙でも撮ろうかな。しかし今日は十六夜、霞を含んだ春の空には明るすぎる照明だ。長時間露光はできない。

 

 

コメント (3)
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