岡山県吉備中央町大和。吉備高原のど真ん中にあるそこの公民館で今年も天文教室を開いた。
昼の部の工作は長い間僕の夢だった、両手の中でぼんやり光る宇宙だ。本当は宙に浮いて、どこからでも見ることのできるパンケーキ型の星の集まりを再現したかったが、無重力でもない限りそれは難しい。なので卓上の丸鏡に貼り付ける平らな宇宙という事で手を打った。モデルとなるのは僕らが住んでいるこの天の川銀河だ。とは言うものの、その姿を外から見たものは居ない。最近の観測を元に作られた画像の中から、鮮明でかつ使っていい物をえらび、太陽系の位置をプロットした。
僕のスケジュールと月齢の関係で、開催日を今月26日と言う夏休みも明ける寸前の土曜日に持って行ったが、残念ながらこの町のお祭りとかち合って参加者が少なくなってしまった。公民館側がそれでは申し訳ないと思って頂いたのか、会場は公民館OBら年配の方が目立った。
かなり手の込んだ工作の多いこの教室だが、今年は天の川銀河を印刷した透明シールを、夜光塗料を吹きかけた丸い板に貼り付けて、それを鏡に取り付けるだけの作業。
あっという間に終わるだろうと思っていたのだが、シールの中心と円板の中心を合わせるのにかなり手間取っていた。本当はガイド板を作っておけば良かったかも知れないが、コストの面でそれは見送っていた。
それでも始めてから40分ほどでみんな上手にシールを張り付けて、出来上がった作品を窓際に持って行ってお日様に当てる。
そして当てた後はホールのステージの緞帳裏に持って行き、薄暗がりの中でぼんやり光る僕らの住む宇宙、天の川銀河を確認していた。
あまりに簡単でこんなの手抜きだと思われないか、少し心配したけれども、暗がりで光ると言う事に満足してもらったのか、まずまず好評で昼の部を終えられた。もちろん、手抜きなどはしていない。この銀河の元画像を探し当てて加工し、透過に一番適したシールを探すためにあれこれ試して、それを貼り付ける円板に夜光塗料をスプレーするのにずいぶん時間と手間を喰ってしまった。
もっともそんな事情はこちらの言い分で、工作をする人たちには関係の無い話だ。
休憩を挟んだ夜の天体観望会では、近くの大和小学校校庭に移動して、10日を数える月や「はくちょう」「さそり」などの星座を楽しんでもらうつもりだった。ただ、町の祭りで行われる花火大会に人を取られて子供の参加者は居らず、ちょっと寂しいイベントになってしまった。
寂しいと言えば、この立派な小学校も来年度を最後に閉校となる。過疎による児童数の減少で、遠くの地区に出来る新設校に統合されるのだ。このため、1997年から26年続いてきたこの天文教室も来年で終わりとなる。星の綺麗なこの場所で、星空を愛する人たちを育てようと始めた教室だった。しかしいくら星を愛していても、そこに住める条件が整わなければ地区から出ていく以外にない。つらい現実だ。
宇宙(そら)に続く丘ホームページ :http://taketorian.org/
昨夜の岡山は曇りもしくは薄曇りでした。時々空を見上げましたが、はっきりと月が見える時は有りませんでした。
そして、実は天文ファンはあまり○○ムーンという言葉に惹かれません。
スーパームーンと言ってもいつもの月より少し大きいだけ。それを望遠鏡を向けて単体で撮影しても全く意味を成しません。
スーパームーンの写真はむしろ、街のビルの間から昇ってくる星景写真が良いと思います。
ごめんなさい。
元気そうで良かったです❗
昨日の月の写真も楽しみにしています🎵