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今日は帝劇 明日は日劇 はたまた国技館に後楽園ホール さらには落語家の追っ掛け 遊び回る日常を描きます。

葉真中顕 「そして、海の泡となる」

2021-09-10 09:08:13 | 日記
葉真中顕さんの「そして、海の泡となる」です。
バブルの時代、「北浜の天才相場師」と言われた高級料亭「恵川」の女将•尾上縫を
モデルにした小説。
バブルの時期は、私の周りでも色々な事が起こりました。
私は、そんなに恩恵受けた記憶はないんですが、周りでは株に手を出したり
大変な時代でした。
そんなことを思い出しながら、読みました。
例によって、この方の本、初読みです。

主人公は朝比奈ハル。
和歌山の田舎で生まれ、上阪する。
仲居さん 水商売などをして、太客を掴んで
料亭のオーナーになる。
大阪千日前の「春川」
バブルを迎えた頃には、彼女が信じる「うみうし様」のお告げで
株の世界で連戦連勝。
彼女の周りには、金融マンが群がる。
「春の会」
が、バブルの終焉と共に、彼女の運命も一変する。

予想と違い、彼女に縁のある人物が、自らの人生と共に
彼女の人生を語る展開。
朝比奈ハルの事件を調べるルポライターが、彼らをインタビューする形式で
物語は進んでいきます。
語る人によって、少しずつ見えるものが変わってくる。
何が真実なのか?
バブルに巻き込まれた女性の人生。
なかなか面白い小説でした。