長年時計修理屋をしているが、年に何回かお客様から聞かれる質問を今朝もされました。
お客様「この時計、修理した方がいいのかな?どう思う?」
60代の男性のお客様。
お持ちいただいた時計はタグ・ホイヤーの婦人用3針クォーツモデル。
洗濯機で回してしまったらしく、それ以来動かないらしい。
一旦時計をお預かりさせていただいて、内部機械の状態を確認しました。
入っていた電池から若干の液漏れを確認。
ケース内に水気や湿気は確認されず。
目視できる限りの汚れを拭き取って新しい電池を装填したが不動。
リュウズを引いて針を動かしてみると、ギギギと引っ掛かる手ごたえ。
スムーズに針は回らない。
分解掃除(オーバーホール)が必要です。
15分程してお客様が戻ってこられた。
お客様「どんな感じ?」
店主「分解掃除が必要ですね。中の機械の状態からすると、3万円くらい、ひょっとしたらそれ以上かかるかもしれないですね」
!!
お客様「3万...そうかぁ...」
「この時計、修理した方がいいのかな?どう思う?」
この質問が出た時には必ずこう答えてます。
まず、この時計を修理した方がいいのか、しない方がいいのかは私には分かりません。
持ち主がこの時計にどの位思い入れがあるかに寄ります。
誰かに貰った、何かの記念で買った、という物であればプライスレスですし。
何十万かかってもいいから直してくれ、というお客様もいらっしゃいます。
逆に...お気を悪くしないでくださいね...
例えば公園のベンチで拾った時計かもしれませんし。
他に沢山時計をお持ちで、別に1本くらいどうでもいいし、修理に3000円もかかるなら修理しないってお客様もいらっしゃいます。
一度持って帰られて、奥様か娘さんか存じ上げませんが「3万円くらいかかる可能性があるけど、どうする?直して今後も使うか?」と聞いてみてください。
修理見積もりは無料で取らせていただきますので。
お客様「なるほど、分かった! 帰って聞いてみるわ。おおきに!」
時計修理屋側からすると、是非とも修理して欲しいと思うんですけどね(笑)
3万かけて修理して、その後一度も使わずに引き出しの中に入れっ放しってのももったいないし。
入れっ放し...
悲しいです。
では、修理品のご紹介。
こちら↓
SEIKO クレドール Ref.5A74-0020 クォーツ
東大阪市在住のK様所有。
分解掃除、電池交換、パッキン交換、防水検査(日常)を行いました。
クレドールの紳士用ドレスウォッチ、2針のクォーツモデルです。
電池交換しても動かないということでOHになりました。
SEIKOサービスでのメーカー修理になりました。
K様大事にお使いくださいませ。
そう言えば引き出しの中に使わず入れっ放しのG-ショックとかあるなぁ、とちょっと反省している腕時計修理専門店トゥールビヨン店主
たまにはローテーションして使ってあげよう。
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