ヘンな人や変わった人を見たり、
本人から打ち明けられても余り驚いたり変な目で見ないせいか、
今考えるとおかしな事を見たり聞いたりしていたなあと思う。
随分前に夜、10,11時くらいの電車で帰っているとき、
私は椅子に座って本を読んでいた。
フッと顔をあげると向かいのドアと椅子の隅の角に寄り掛かりながら
青白い顔の若い男の子が目をつぶって居眠りしながら立っていた。
その近く、ちょうど両開きの真ん中あたりに
男の子と向き合うような形で他人でありそうな年齢の男が立っていた。
男の子が左右に小さい揺れ始めたので
私は酔っているのかと思って見ていた。
よく見ると、その男は向かい合うような形でじっと男の子を見ながら
下の方で指を左右に動かしている。
すると男の子は男が指を動かす方向へ動いているのだ。
私が見ていることに気づいた男はニヤっとして
ズボンのポケットに手をいれたけれど
そこでモソモソ指を動かし続けている。
男の子はどんどん揺れを大きくしているけれど
不思議とよろけず柔軟に揺れるのだ。
真正面で男が指を動かすように動き、
人が入って来て男の動きが中断されると男の子の動きも止まる。
顔も青白く酔っ払っているわけじゃないのかもしれないと、
私なりに男をじっと見て見ているアピールをした。
男はニヤつくも、
こちらは見てもしばらく続けて下車していった。
男がいなくなった途端に男の子は目を明け
気がついたように姿勢を整え普通に立っていた。
今考えるとヘンな事だし、
もしもあの男に催眠術的な能力があるとしたら
それはそれで大したものだ。
その時は、そんな人も普通にいるもので
不思議とも危険とも思わなかったけれど
ただ、本人の許可なく勝手にやる事がダメだとしか思わなかったのだ。
思い出してみるとヘンな事だけれど…
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