薫のよもやま話

森山かおる
市原市議会議員
重度障がいの息子を育てながら、日々感じる事を想いのままに

立ち読みで、涙!

2017年07月23日 | 障がい

書店で目に留まった千葉県課題図書「めざせスペシャルオリンピックス・世界大会!」 自閉症の類(るい)くんの物語です。

ちょっと立ち読みしたら途中で涙腺がゆるんでしまい、即購入。

彼は高校生になってから乗馬に出会ってスペシャルオリンピックスを目指すようになったのだけど、その事よりもそれまでどのような学校生活を送ってきたかがたくさん書かれているのです。

類くんが自閉症と診断されたのは3歳の時。軽度ではない類くんを普通の子どもたちの中で育てたいと強く願う両親は、「自閉症児なら養護学校(現在の特別支援学校)に行かせてください」という教育委員会を説得して、登校から下校まで親が付き添うことを条件に通学することになったのですが、入学式で緊張した類くんが奇声をあげウロウロしてしまうと、周りの大人はどうして養護学校に行かせないのかと迷惑がり、心がくじける両親。でも子どもたちは当たり前のように類くんを受け入れたのです。

環境の変化についていけず、落ち着きがなくなり自分の殻に閉じこもってしまう時期もあったけど、お友達とのかかわりの中で大きく成長していった類くん。大好きな友達てっちゃんとなら、オウム返しではなく普通に会話している姿に驚く両親。

(ここで涙、涙の私・・・。)

更に、友情はもっとすごい!

てっちゃんが入っている地元のソフトボールチームに入るのですが、視野が狭い類くんはキャッチボールができないので、監督から準会員ならOKという条件付き。なので類くんはひたすらボール拾い。試合では旗を振り続け応援に徹する。

しかし卒団式での監督の「12人の団員たちは・・・」という言葉には類くんが入っていない。そこでキャプテンは答辞で「ぼくたち団員13名は、苦しい時も寒い時も・・・」というんですよね~。12個しか用意されていないメダルに、類の分がない!と抗議するチームメイト。

(これまた、泣ける泣ける)

中学生になっても、この友情は続くのです。壮絶ないじめがあった時、クラスが違っても類くんを守り支える友達。

こんなエピソードがいっぱい詰まった本なのです。

うちの息子も小中学校は公立の学校に通っていたから、本の中のシーンに過去の息子の姿を重ね合わせて、わかるわかる!とうなずきながら何度も涙がでました。

障がい者を理解しましょうって言ったって、やっぱり一緒に過ごす時間がなければ真の理解にはならない。

類くんとご両親のひたむきな生き方に感動させられました。

乗馬クラブで働く類くんの言葉

「ぼく、40歳までに世界大会に行きます。行って、世界の人たちと競走して、優勝します。それまでは、馬といっしょに働いて、馬といっしょに練習します。」

がんばれ、類くん!


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