書籍 ゴルバチョフはロックが好き?
表紙カバー
1991年に発売された翻訳書です。
本文は翻訳者のあとがきを含めて331頁
もともとのタイトルは、
「Back In The USSR-The True Story of Rock in Russia」
となっていますので、
何かインパクトのあるタイトルにして、
販売に結びつけようとしたのでしょう。
これは、実際に国内で出版された年に求めたのではなく、
10年ぐらい前に古本として求めたものですね。
どんな内容の書籍かというと、
USSR(ソヴィエト連邦)に、
西側からロック音楽がどのような形で入ってきて、
それに触発されたソヴィエトのロック・ムーブメントが、
どのような展開をみせてきたかという、
80年代後期までの30年間の軌跡を
まとめたものですね。
著者は、「アルテーミー・トロイツキー」というソヴィエトでは、
最も著名なロックジャーナリストとの事。
ロックが浸透しやすい流れとして、
例えば、「EL&Pの展覧会の絵」等が、
クラシック音楽だけが認められているところに、
その先駆けとして入っていったりしたのかと、
単純な想像をしていたわけですが、
そんな事は全くなくて、
最初はビートルズなわけです。
それを端緒として、他のロックも聴かれるようになり、
その一部の中にプログレッシヴロックも入っていたようです。
いくつかのプログレッシヴロックのバンド名が、
出てくるのですが、
記載されているのは、
ピンク・フロイド、
キング・クリムズン、
イエス
となっており、
「なんだ、EL&Pは登場しないのか?」
と、意気消沈したのですが、
それから数行後の文章を読むと、
ソヴィエトロック史の中で、
重要なアルバムになっているように受けとめる事もできます。
抜き書きをしますと、
「ソヴィエトでは子供のときからクラシック・ミュージックに優位性がことあるごとに教えこまれる。その結果、熱狂的なロック・ファンでさえも、「もちろん、バッハやベートーヴェンの作品は偉大ですばらしい-ぼくがそういう音楽を好きになれないのは悲しいことだ」と告白してもおかしくはない。こうした状況のなかで、ELPの『展覧会の絵』や『ジーザス・クライスト・スーパースター』のような作品をあげてロックを擁護することが流行した。ロックは、若者が偉大なクラシックの遺産を理解するための助けになるという者も多かった。」(本書P77)
抜き書き終わり。
本書は、当時、ソヴィエトでは出版されずに、
英国で1987年に出版されたとの事。
出版年や時代背景を踏まえると、
様々な情報を収集しながら、
1つの書籍にまとめあげる事は、
私などから想像もつなかい労苦だったと思われます。
こちらの浅はかな想像とは異なっていたとは言え、
著書にEL&Pを登場させてくれた著者には、
本当に感謝です。
以上。
EL&Pを愛し続けてまいりましょう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます