EL&P図書室3号

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リターン・オブ・ザ・マンティコア 黄土色盤 その2

2013-12-12 16:30:36 | 「リターン・オブ・ザ・マンティコア/THE RETURN OF THE~」
リターン・オブ・ザ・マンティコア 
黄土色盤 その2



画像 CD盤面

先般取りあげたこの黄土色盤、
CD盤の方は、山吹色ともいえますね。
この間書いた時は、山吹色という言葉が全く頭に浮かばなくて。
老化ですな。(笑)

プログレ史におけるあまりにも著名な曲が2つ、
新たなる録音で収められています。

1つは「21世紀の精神異常者」。

EL&Pがいったいどんな演奏をするのかという事を、
誰もが期待するわけですが、
最初のヴォーカル後のスピード感のある一糸乱れぬ演奏が、
スローテンポで短めに圧縮された感じになり、
あっという間に終わってしまいます。

ザ・ナイスやアーサー・ブラウンの曲の収録時間とのバランスを考えると、
キング・クリムゾンの長めの曲にあまり多くの時間を割くわけにはいかないという事もあるのかも知れません。
しかし、原曲の魅力のほとんどは、あの音のバトルにあると思いますし、
結果として、そのような演奏は為されていないので、
「あれ、まあ!」と言う感じです。
元いたバンドの曲なので、あまり力を入れる必要もないという方針も働いたのかも知れませんが、
これを聞いたEL&Pファンのほとんどは、

「なんだ、この短さは!あっという間じゃないか!なんじゃこりゃ!」

と思ったに違いありません。

もう1つの著名な曲は、
EL&Pの名を世界的に知らしめた「展覧会の絵」。

キースのインタビューによると、
70年代から、「展覧会の絵のスタジオ録音をしてみたい」
という希望はバンドの中にはあったようです。

それが、満を持して録音できる機会が訪れたわけです。

EL&Pのアルバム、「展覧会の絵」は、
最初から最後まで一気に駆け上るスリリングでエネルギッシュな演奏も魅力の一翼を担っています。
それが、EL&Pというバンドの魅力の一つでもありますよね。

このベスト盤収録時ですが、
ライヴ盤「展覧会の絵」のリリースから、
メンバーは、20年以上の年を重ねています。
その一方、キーボードの音色は多様化して、
録音の技術も進化しているわけですよね。

その状況下で生まれた、
このスタジオ録音ヴァージョンはどうかと言いますと、
丁寧でまとまり過ぎている感じがどうしてもしますね。

「テクノロジーが進化しすぎて、
宇宙船が何の問題もなく無難な着陸をした」

みたいな感じです。

ライヴ盤「展覧会の絵」もそのままのライヴテイクではなく、
音の処理が施されているとの話ですが、私などはそんな情報がないと解るわけもないですし、それはライヴ音を妨げるものではないでしょう。

このスタジオ録音の「展覧会の絵」を、
ライヴのそれよりも気に入ったというファンは、
ほとんどいないと思われます。

山吹色盤は、新録音が詰まっている「リターン・オブ・ザ・マンティコア」の目玉ではあったと思いますが、
リスナーが手放しで誉め讃える内容になっていたかというと、そうでもなかった感じです。

以上。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (おだまさ)
2013-12-14 10:03:10
こんにちは。

あのスタジオ録音の「展覧会の絵」は、面白さで言えば、僕も残念ながらご指摘の通りという感を持たざるを得ないですね。クラシックのシンセ版みたくなって、ダイナミックなELPの曲っぽくない、特にライブ版のイメージが少なくなってしまっているというか。

「21世紀の精神異常者」は・・・まあ、クリムゾンなので、良いかと(笑)。

それでも、ファンとしては新録音が届いたというだけで、嬉しがっていました。
返信する
Unknown (torioden)
2013-12-16 08:30:15
>おだまさ様

コメントありがとうございます。(^ ^)
ご無沙汰いたしております。

仰るとおり、入手した頃は、リリースしてもらっただけで、嬉しかったように思います。

当時、実際に聞いた時に、あまりワクワクしなかったのを思い出しまして、
書いてみました。

確かにクリムゾンの曲に関しては、クリムゾンの曲なので、あまり不満を言っても仕方ないかも知れないです。しかも、90年代ですものね。

70~80年代に「21世紀の精神異常者」のEL&P版があったら、
本家の演奏に負けじと、壮絶な演奏をしていたかも知れないですよね。
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