今もなお日本を代表するヒルクライマーの村山利男さん。
新潟一のアスリートと言っても過言ではないですね。
そんな村山さんの「ヒルクライム談議」というのが、あるレース前日にあったらしい。
以下、自転車乗りには参考になると内容です。
東京電力柏崎刈場原子力発電所勤務のサラリーマン。
35歳の時にデュアスロンのシリーズ戦で総合優勝。
「ムラヤマは本場でプロになるべきだ」との欧米選手の声に、
「道楽だし、近くに安くて楽しめる大会があるからいいよ。」と飄々答えたらしい。
フルマラソンも2時間24分で走ったことがある。
(以上 funride05年8月号より)
2001年までだったかな?日本最大のヒルクライムレース、マウンテンサイクリング乗鞍を6連覇。
毎朝4時半に練習に出て約3時間、100kmのトレーニングをこなす。
雪の積もる冬場は自宅でサイクルシュミレーターを使ってトレーニングする。
日本のトップ選手もヒルクライムでは村山さんになかなか勝てないほどのすごいお方です。
去年もヒルクライムシリーズ戦(美ヶ原、鳥海山、乗鞍)でシリーズチャンピオン。
今日はそのシリーズチャンピオンジャージを着ての「ヒルクライム談議」でした。
村山さん「ヒルクライムはまず怪我が無い。落車が少ないのがいいですね~。」「でも土日は距離乗りたいでしょ?だからレースはせいぜい月に1回ですね。」
①水分補給
村山さん「暑いのでボトル1本~2本は必ず用意しましょう。ただし、水はダメ。体に吸収される前にオシッコになっちゃうから。適度に塩分が含まれているスポーツドリンクを飲みましょう。」
村山さんは「エネルゲン」を愛飲しているらしい。
「エネルゲン」は果糖を使っているので脂肪燃焼に効果があるとのこと。
抽選会で村山賞があったけど、中身は「エネルゲン」、「アミノバイタルプロ」、「八海山」と言ってました。
「アミノバイタル」はプロテインよりも効くんじゃないかな?と言ってました。僕も飲んでます。
「八海山」、これも同感。
②食事
「明日のスタートは9時です。皆さんは何時に起きますか?」
「6時。」と答えた人がいる。
「では食事は何時に食べますか?」
の問いに、6時と答えた人は
「すぐ食べなきゃいけませんね。」
「最低でも22時には寝て、7時間はぐっすり寝て5時頃には起きて、6時までには朝食を摂りたいですね。」
「それと食事は炭水化物だけで充分なんですよ。極端に言えばご飯だけ食べればいい。」「今回のような短時間のレースは特にしっかりと消化しておきたいですね。」
緑黄色野菜と、2~3日に一度は牛肉を好んで食べるとか。
③ペース配分
今回のコースは、合計14kmで、最初の4kmくらいまで短い下りもある緩い上り。
「4kmまでは集団走行できるから楽ですね。申し訳なかったらたまに僕も引くかな?」
まず最初の4kmは集団走行なのでそれ程心拍も上がらない。
ここでウォーミングアップができる。
4km過ぎるとつづら折れの急坂が1km程続く。
その後は緩い部分と急な部分が交互に続く。
残り2.5km位から急な部分が続いて、残り1kmは緩い。
まず、4km過ぎのつづら折れ1kmで心拍が上がりすぎてはいけない。
心拍計持っている人は、個人差もあるけど180とか行ってしまうと後半バテてしまうのでマイペースで行く。
心拍計持っていない人でも、感覚的にいっぱいいっぱいにならないようなペースで上ること。
村山さんはペダル回転数(ケイデンス)は70回転位で走るらしい。急な部分だと60回転位。
確かに村山さんは重いギアをグイグイと踏む独特のペダリングだ。
「60回転と言うのは300回転で5分だから、それを1セットとして、20分なら4セットとしてペース配分にも使えるんですよ。」
「最近は上りでも80回転とか90回転とかで走ろうなんて言われてるけど、そんなのは無理無理。でも50回転では低すぎますね。」
今回のレースも中盤はできるだけ一定のケイデンスを維持して走る。
自分の走りやすいケイデンスがあればそれを維持するように、こまめにギアを変えて走ること。
ケイデンスのペースが乱れると負担になるのでイーブンペースが非常に重要とのこと。
そして最後の1kmは全力で。
「僕はそれまで心拍は170台で走って、最後の1kmは追い込んで心拍が180以上になるように走ります。」
④機材と乗り方
1.ハンドル
「僕はハンドルの上部分のバーを持って走ります。皆さんもブラケットとか持ちやすい部分を持てばいいけど、大事なことは引いたり強く握ってはダメ。」
「急な坂でハンドルを強く引く人がいるけど、余計な体力を使うだけで全く意味がない。そういう時は上半身の前傾をきつくして、上半身をハンドルの方に被せるようにすればいい。」
「それと僕はダンシングは全くやりません。一瞬速く走れるんですが、その後足に来ちゃう。結局一定ペースで走れないんですよ。」
「僕の師匠の市川雅敏さんはダンシングが得意でしたね。やってみたい方は練習すればできるようになると思いますけど。」
2.ホイール
村山さんの自転車はZIPP303だろうか?カーボンホイールだった。
「カーボンは軽くていい、ただブレーキシューはカーボン専用の物を使わないとダメですね。」
激坂が続く富士あざみラインのレースで、下山でZIPP404のカーボンリムが熱でドロドロに溶けて使えなくなってしまったらしい。
その時ZIPPのカーボンを使っていた人はみんな同じような状態だったとか。
3.シューズ
「最近ナイキの新しいのを買ったんですよ。これは余計なクリートの穴がなくて、そのぶん余計な金具も付いてなくて軽いのがいい。」
あと、クリートを付ける位置も重要と言ってました。
膝が痛いと言う人はたいてい真っ直ぐか内股気味になるようにクリートをつけてしまっている。
膝はガニ股で乗りたがっているのに、間違ったセッティングをするとそうなる。
今まで3人に膝が痛いと相談されたが、ガニ股ぎみにクリートを設定し直してもらったら3人とも治ったらしい。
僕も高校時代に右足首を捻挫してガニ股ぎみ。
膝の裏側の筋がずっと前から痛い時があるけど、最近ガニ股ぎみに乗ってたら治った。
クリートの前後位置について、村山さんはクリートをできるだけつま先寄りに付けるとの事。
「そうすることで強い力でペダリングできるけど、ふくらはぎに負担がかかります。」
僕も少しつま先寄りに付けた方が力入れやすい気がする。
4.サドル
村山さんはシューズを履いて自転車にまたがって、つま先が地面に着くか着かないかの高さがちょうどいいとの事。
どこかで読んだことがある。実際にまたがって見せてくれました。
ちなみに村山さんのサドルはかなり前上がりだった。
「これはずっとつけてたらこうなっちゃったんですよ。あまり気にしないで下さい。」
僕はケツが痛くなるのでかなり気になるが、そのへんはこだわらないらしい。
5.ギヤ
村山さんはコンパクトドライブを使用。
今回は平坦もあるのでフロントは44と34、リアは11-23らしい。
「でも23は使わないでしょう。」
■集団走行で気をつけることはありますか?
「自分のラインを走るということですかね?蛇行したり、斜めに走ったりすると危ないですね。特にコーナーでは必ず守ってください。」
「僕も実業団のBR-1なんかで走るけど、みんな気をつけて走るので安心だし、落車も非常に少ないですね。」
■僕もトレーニングについて是非質問したくて手を上げた。
「トレーニングの事なんですが、月に何時間くらい練習しますか?」
「月に何時間ってのは考えないんですが、天気良ければ外で3時間、雨降ったら家で2時間ですね。」
休みの日は無くて、強度を落とす日はあるらしい。
新聞読みながらとかテレビ見ながらとか全然強度は上がらないけどそれでも乗る。
乗らない日はほとんどないらしい。
「筋トレはやりますか?」
「いっさいやりません。いろんな人に良く聞かれるんですが、僕は全くやらないですね。モガキもやらないです。」
「大事なのはビルドアップなんですよ。峠でも最初はゆっくり、最後の1kmを全力って言いましたけど、練習でも同じですね。」
「前日に飲みすぎちゃったり、食べすぎちゃったりしても、ゆっくり走れば燃焼効果があるんですよ。」
ちなみに家で練習する時は工業用の扇風機を前に置いているらしい。
僕も扇風機は置いてます。でもこの時期はエアコンも使うけど。
■レース前のウォーミングアップについて
「走り方のところでも言いましたけど、最初は集団で走れるし、特に今回は暑いからウォーミングアップなんていらないと思うんですよね。もちろん僕も1時間くらい前から軽く体を動かすって事はしますけど。」
「よくアップで心拍を上げたりなんて言いますけど、疲れちゃうでしょ?だからやる必要ないと思いますよ。」
「疲れちゃうから」と言うのが至極単純な考え方だが意外だった。
■今日これから試走しようと思うんですが、気をつけることはありますか?
「車に気をつけてください、あとは暑いし頑張って上っても明日があるので、行くならゆっくり景色を見ながら上ることですね。」
「僕も今朝上ってきたけど、1時間くらいかけてゆっくり上りました。」
確固としたトレーニング方法を持って、それを強い意志で長年続けてらっしゃる。
強いことを自慢したり嫌味な態度など全くなく、市民レースの発展に貢献する謙虚な人柄に感銘を受けました。
以上、とあるブログより引用させていただきました。
やはり、「強い人は謙虚」みたいです。
新潟一のアスリートと言っても過言ではないですね。
そんな村山さんの「ヒルクライム談議」というのが、あるレース前日にあったらしい。
以下、自転車乗りには参考になると内容です。
東京電力柏崎刈場原子力発電所勤務のサラリーマン。
35歳の時にデュアスロンのシリーズ戦で総合優勝。
「ムラヤマは本場でプロになるべきだ」との欧米選手の声に、
「道楽だし、近くに安くて楽しめる大会があるからいいよ。」と飄々答えたらしい。
フルマラソンも2時間24分で走ったことがある。
(以上 funride05年8月号より)
2001年までだったかな?日本最大のヒルクライムレース、マウンテンサイクリング乗鞍を6連覇。
毎朝4時半に練習に出て約3時間、100kmのトレーニングをこなす。
雪の積もる冬場は自宅でサイクルシュミレーターを使ってトレーニングする。
日本のトップ選手もヒルクライムでは村山さんになかなか勝てないほどのすごいお方です。
去年もヒルクライムシリーズ戦(美ヶ原、鳥海山、乗鞍)でシリーズチャンピオン。
今日はそのシリーズチャンピオンジャージを着ての「ヒルクライム談議」でした。
村山さん「ヒルクライムはまず怪我が無い。落車が少ないのがいいですね~。」「でも土日は距離乗りたいでしょ?だからレースはせいぜい月に1回ですね。」
①水分補給
村山さん「暑いのでボトル1本~2本は必ず用意しましょう。ただし、水はダメ。体に吸収される前にオシッコになっちゃうから。適度に塩分が含まれているスポーツドリンクを飲みましょう。」
村山さんは「エネルゲン」を愛飲しているらしい。
「エネルゲン」は果糖を使っているので脂肪燃焼に効果があるとのこと。
抽選会で村山賞があったけど、中身は「エネルゲン」、「アミノバイタルプロ」、「八海山」と言ってました。
「アミノバイタル」はプロテインよりも効くんじゃないかな?と言ってました。僕も飲んでます。
「八海山」、これも同感。
②食事
「明日のスタートは9時です。皆さんは何時に起きますか?」
「6時。」と答えた人がいる。
「では食事は何時に食べますか?」
の問いに、6時と答えた人は
「すぐ食べなきゃいけませんね。」
「最低でも22時には寝て、7時間はぐっすり寝て5時頃には起きて、6時までには朝食を摂りたいですね。」
「それと食事は炭水化物だけで充分なんですよ。極端に言えばご飯だけ食べればいい。」「今回のような短時間のレースは特にしっかりと消化しておきたいですね。」
緑黄色野菜と、2~3日に一度は牛肉を好んで食べるとか。
③ペース配分
今回のコースは、合計14kmで、最初の4kmくらいまで短い下りもある緩い上り。
「4kmまでは集団走行できるから楽ですね。申し訳なかったらたまに僕も引くかな?」
まず最初の4kmは集団走行なのでそれ程心拍も上がらない。
ここでウォーミングアップができる。
4km過ぎるとつづら折れの急坂が1km程続く。
その後は緩い部分と急な部分が交互に続く。
残り2.5km位から急な部分が続いて、残り1kmは緩い。
まず、4km過ぎのつづら折れ1kmで心拍が上がりすぎてはいけない。
心拍計持っている人は、個人差もあるけど180とか行ってしまうと後半バテてしまうのでマイペースで行く。
心拍計持っていない人でも、感覚的にいっぱいいっぱいにならないようなペースで上ること。
村山さんはペダル回転数(ケイデンス)は70回転位で走るらしい。急な部分だと60回転位。
確かに村山さんは重いギアをグイグイと踏む独特のペダリングだ。
「60回転と言うのは300回転で5分だから、それを1セットとして、20分なら4セットとしてペース配分にも使えるんですよ。」
「最近は上りでも80回転とか90回転とかで走ろうなんて言われてるけど、そんなのは無理無理。でも50回転では低すぎますね。」
今回のレースも中盤はできるだけ一定のケイデンスを維持して走る。
自分の走りやすいケイデンスがあればそれを維持するように、こまめにギアを変えて走ること。
ケイデンスのペースが乱れると負担になるのでイーブンペースが非常に重要とのこと。
そして最後の1kmは全力で。
「僕はそれまで心拍は170台で走って、最後の1kmは追い込んで心拍が180以上になるように走ります。」
④機材と乗り方
1.ハンドル
「僕はハンドルの上部分のバーを持って走ります。皆さんもブラケットとか持ちやすい部分を持てばいいけど、大事なことは引いたり強く握ってはダメ。」
「急な坂でハンドルを強く引く人がいるけど、余計な体力を使うだけで全く意味がない。そういう時は上半身の前傾をきつくして、上半身をハンドルの方に被せるようにすればいい。」
「それと僕はダンシングは全くやりません。一瞬速く走れるんですが、その後足に来ちゃう。結局一定ペースで走れないんですよ。」
「僕の師匠の市川雅敏さんはダンシングが得意でしたね。やってみたい方は練習すればできるようになると思いますけど。」
2.ホイール
村山さんの自転車はZIPP303だろうか?カーボンホイールだった。
「カーボンは軽くていい、ただブレーキシューはカーボン専用の物を使わないとダメですね。」
激坂が続く富士あざみラインのレースで、下山でZIPP404のカーボンリムが熱でドロドロに溶けて使えなくなってしまったらしい。
その時ZIPPのカーボンを使っていた人はみんな同じような状態だったとか。
3.シューズ
「最近ナイキの新しいのを買ったんですよ。これは余計なクリートの穴がなくて、そのぶん余計な金具も付いてなくて軽いのがいい。」
あと、クリートを付ける位置も重要と言ってました。
膝が痛いと言う人はたいてい真っ直ぐか内股気味になるようにクリートをつけてしまっている。
膝はガニ股で乗りたがっているのに、間違ったセッティングをするとそうなる。
今まで3人に膝が痛いと相談されたが、ガニ股ぎみにクリートを設定し直してもらったら3人とも治ったらしい。
僕も高校時代に右足首を捻挫してガニ股ぎみ。
膝の裏側の筋がずっと前から痛い時があるけど、最近ガニ股ぎみに乗ってたら治った。
クリートの前後位置について、村山さんはクリートをできるだけつま先寄りに付けるとの事。
「そうすることで強い力でペダリングできるけど、ふくらはぎに負担がかかります。」
僕も少しつま先寄りに付けた方が力入れやすい気がする。
4.サドル
村山さんはシューズを履いて自転車にまたがって、つま先が地面に着くか着かないかの高さがちょうどいいとの事。
どこかで読んだことがある。実際にまたがって見せてくれました。
ちなみに村山さんのサドルはかなり前上がりだった。
「これはずっとつけてたらこうなっちゃったんですよ。あまり気にしないで下さい。」
僕はケツが痛くなるのでかなり気になるが、そのへんはこだわらないらしい。
5.ギヤ
村山さんはコンパクトドライブを使用。
今回は平坦もあるのでフロントは44と34、リアは11-23らしい。
「でも23は使わないでしょう。」
■集団走行で気をつけることはありますか?
「自分のラインを走るということですかね?蛇行したり、斜めに走ったりすると危ないですね。特にコーナーでは必ず守ってください。」
「僕も実業団のBR-1なんかで走るけど、みんな気をつけて走るので安心だし、落車も非常に少ないですね。」
■僕もトレーニングについて是非質問したくて手を上げた。
「トレーニングの事なんですが、月に何時間くらい練習しますか?」
「月に何時間ってのは考えないんですが、天気良ければ外で3時間、雨降ったら家で2時間ですね。」
休みの日は無くて、強度を落とす日はあるらしい。
新聞読みながらとかテレビ見ながらとか全然強度は上がらないけどそれでも乗る。
乗らない日はほとんどないらしい。
「筋トレはやりますか?」
「いっさいやりません。いろんな人に良く聞かれるんですが、僕は全くやらないですね。モガキもやらないです。」
「大事なのはビルドアップなんですよ。峠でも最初はゆっくり、最後の1kmを全力って言いましたけど、練習でも同じですね。」
「前日に飲みすぎちゃったり、食べすぎちゃったりしても、ゆっくり走れば燃焼効果があるんですよ。」
ちなみに家で練習する時は工業用の扇風機を前に置いているらしい。
僕も扇風機は置いてます。でもこの時期はエアコンも使うけど。
■レース前のウォーミングアップについて
「走り方のところでも言いましたけど、最初は集団で走れるし、特に今回は暑いからウォーミングアップなんていらないと思うんですよね。もちろん僕も1時間くらい前から軽く体を動かすって事はしますけど。」
「よくアップで心拍を上げたりなんて言いますけど、疲れちゃうでしょ?だからやる必要ないと思いますよ。」
「疲れちゃうから」と言うのが至極単純な考え方だが意外だった。
■今日これから試走しようと思うんですが、気をつけることはありますか?
「車に気をつけてください、あとは暑いし頑張って上っても明日があるので、行くならゆっくり景色を見ながら上ることですね。」
「僕も今朝上ってきたけど、1時間くらいかけてゆっくり上りました。」
確固としたトレーニング方法を持って、それを強い意志で長年続けてらっしゃる。
強いことを自慢したり嫌味な態度など全くなく、市民レースの発展に貢献する謙虚な人柄に感銘を受けました。
以上、とあるブログより引用させていただきました。
やはり、「強い人は謙虚」みたいです。