「生涯引きこもり」と宣言された私の、超豪華オプション生活

 登校拒否となり、生涯ひきこもりであろうと決めつけられて四半世紀。社会人として生きる記録。#発達障害 #自閉症 #ニート

映画「さかなのこ」講評

2022-09-05 21:05:53 | 書評

主演の「のん」をインタビューした番組を見て、急遽見ることにした映画。

作品構成はドキュメンタリーでもノンフィクションでもない。
ついでに、事実に基づくフィクションであることさえ、怪しい。なにせ主演が女性だ。
ただし、エッセンスは、「さかなクン」の半生に基づき、作られていると感じた。

最初はエンタメ作品かと思いきや、どんどん作品の中に引きこまれていく。
明らかに自閉症者であると推定できる主人公が、どうやって育てられ、どう成長し、人生の苦難を味わい、どう困難を乗り越えていったかが、描かれていていた。
なかでも、おそらく主人公は成績不良で底辺高校だったのだろう、今や懐かしい暴走族風のチンピラたちに絡まれそうになるが、彼らチンピラを不思議な魅力で魚の世界に引き込み、更生させていくのである。

主人公は非常に重い発達障害者であると感じた。
教育的な家庭だったら、さっさと診断を付け、もしかしたら底辺高校ではなく特別支援学校に入れていたのかもしれないが、主人公の母親は主人公の魚への執着を認め、そのあるがままを認めていたのだ。
家庭での困難はあり、どうやら離婚したのかな、子育て方針の違いで。主人公についていけなくて一家離散した、という設定。
主人公は育成に当たった母親からは否定されず、何かを強く強いられることもなく、高校卒業後は様々な仕事で失敗しながら、ついには自分の強みを楽しんでくれる人たちからの仕事で成功を収めた。という作品になっている。

医療、福祉や教育の専門課程教育で良く語られる、「毒親」論、あるいは愛着障害・発達障害論、なども思い出された。
子育てが不適切でなければ、精神科が必要にはならない。という説は、しばしば目にするものである。
私も福祉職のころ、やはり困難事例の裏には親による不適切な処遇がしばしば散見された、ように思える。また、各地の職員集団の間で、しばしば話されていたことだ。
とはいえこれらは医療福祉などの臨床経験に基づくものであり、科学的統計的エビデンスがあるわけではないと、私は考えている。

「毒親」論の専門家たちからは、
では、どうやったら良いか。
ということについて、
「子供はたくましく」とか、「この親にしてこの子」
 は言われるが、
具体的提言はないように、私には思える
言ってることは、ただの悪口。かもしれない。とも思える。

あるいは、困難も多いが可愛げがある、などの理由により、虐待的対応を周りから招かなかった。のかもしれない。とも。思えた。

このブログでもしばしば出している話題だが、
  • 個性を認め、強みを追及する。
  • 強みを通して関係性を強化する。
ということが、よいのではないか。と思う。

なんであれ、自分のできること、認められていることから、進出していく、のですね。
これから、この映画の元になった、さかなクンの自伝を読みます。楽しみです。

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