北海道にある、あすなろ福祉会が結婚を希望するグループホーム利用者に対して行っている活動が、メディアで批判的に取り上げられている。
報道によると、施設側は結婚を希望する利用者本人・家族の了解を得たうえで不妊手術を働きかけてきた。とのこと。
知的障害福祉の現実として、生まれた子供の支援は想定されていない。
乳幼児への支援はできないので不妊手術せずに出産した場合、退所となる現実を示したうえで、本人の意思で不妊手術が行われたものである。
知的障害福祉の現実として、生まれた子供の支援は想定されていない。
乳幼児への支援はできないので不妊手術せずに出産した場合、退所となる現実を示したうえで、本人の意思で不妊手術が行われたものである。
だれも決して、本人の意思に反する不妊手術など、させていないのである。また現実として、施設の方針には従えないので法人から離れた当事者もいるとのこと。
本人の意思に反して何かを強制していないし、施設側としても法人の意に沿わない支援をする必要もないわけである。
本人の意思に反して何かを強制していないし、施設側としても法人の意に沿わない支援をする必要もないわけである。
私は十数年もの間、知的障害施設で職員として生活や作業の支援をしてきた。
私のかつての勤務先ではいずれも、知的障碍者の恋愛は大変な問題行動、不良行為。
としてのみとらえられ、発覚次第、破談させる支援ばかり見てきた。
私は、人間にとって恋愛や生殖は基本的ことだと思うから、勤務先の方針に強い違和感を抱いたので、転職することになった。
私は数百人の知的障碍者と接してきたが、ただの一人も、結婚している当事者と出会ったことがない。
もちろん本や研修会などで、ごく一部の志ある法人が、知的障碍者の恋愛や結婚、子育ての支援をしていることを学んではいるが、現実として知的障碍者夫婦と出会ったことがない。
現実として、日本の福祉では、障碍者同士が結婚することは、想定されていない。
よって特別な支援制度はなく、志ある法人が費用も労力も持ち出しで行っていることである。
あすなろ福祉会さんは、多くの福祉法人が知的障碍者の恋愛を禁止する中で、知的障碍者の結婚を受け入れ、支援の対象としているのである。
子育てをする資源が現実的にないのであれば、法人の支援から離れ独自に支援網を構築できないのであれば、不妊手術を施したうえでの結婚は、現実的選択だと私は考える。
現実の知的障害福祉は、子育て、結婚はおろか、恋愛さえ禁止している。
そんな中、あすなろ福祉会さんの仕事は、大変立派な志だと、私は思う。
(以下、関連する記事)