今、私は某大手家電量販店で障害者雇用の実習を受けている。
そして30年前、私は某大手ファストフード店で障害者雇用の人の「上司」だった。
比べてみると面白いと思ったから、書いてみる。
仕事内容は、障害者でもできそうなことを降ろしてさせてみる。これは今も昔も同じ。
指示を出す人は、今は今のところ、店のほんの一握りの上層部だけ。
昔はその時々の人が、各々教えた。だから、こんなやつとは仕事したくないとクレームが出たり、逆に頑張ってるじゃないか、いいやつじゃないかと、排斥したりかわいがったりして店の中で分裂が生じた。
昔は結局、私のような人たちが引き受けて、楽しく仕事をさせていただいた。
私は障害者雇用だった知的障碍者の彼のおかげで、大学を経て知的障害福祉の仕事を13年ほどやらせていただくこととなり、社会福祉士などの資格も取得することができた。
今はきっと、社内でのコンフリクトを避けるために、会社の上層部や障害者雇用担当者のみがかかわるスタンスを、実集中の家電量販店さんは取っていると思う。なにせ全店向けの挨拶さえさせてもらっていない。そういうものだと思っている。
とはいえ別のカーディーラーの実習先では、最初にあいさつさせていただき、メカニックさんに仕事の指示をしていただき、店員さんたちとの雑談もさせていただいた。昔との違いは、そういえば店の責任者や障害者雇用担当者が毎日頻繁に声をかけてくれる。そして今の実習先である家電量販店では、さらに徹底して責任者や障害者雇用担当者からしか行動の指示が降りてこない。
大手は障害者雇用のノウハウがあって、店内でトラブルが起きないようにしているなあと感じた。
なるほどたしかにこれであれば、会社の上意として障害者雇用を推進するということが明白で、また障害者と関わりたくない店員さんたちのストレスも少なく、スムーズにいくのだと思った。
自分たち障害者にはできないことや苦手なことがあるから障害認定されるわけであって、そして障害は千差万別あって、
そして世の中には当然に偏見もあって、中小企業では障害者雇用はやらなくても罰則のない事実上の「努力義務」で、ほとんど進んでいない。
大手はやらないと罰金取られるうえ、公共入札から排除されるから、仕方がなく雇用する。
その雇用さえ社内トラブルでなかなかできないから、障害者雇用外注ビジネス農園が全国で跋扈していることは、このブログで取り上げたし、なによりも毎日新聞などがしつこく取り上げているところだ。
大手さんは苦労して障害者雇用してくれようとしているのだなあと、感じた。
障害配慮は物理的配慮だなあ、とも感じた。障害者なんて嫌だ。という人とは挨拶以上のコミニケションを取る必要がなく、指示を出す人とやることが明白である、という物理的配慮だ。
それにしても、障害者雇用だとやはり、なかなか最低賃金以上の仕事には、結びつきにくいなあ。とも感じた。
私はもう、ピークは過ぎて、無茶して仕事してきたからひと財産作ることができて、しかしもう、体も心もボロボロでいろいろ手を尽くしてもどうにもならず、これからは障害者雇用やむなしで仕方がないと割り切っている。
福祉からは当事者活動以外は卒業してもいいと考えている。自分や自分の同志たちへの支援活動で十分かもしれないと考えている。
障害者雇用もいろいろ。人生の後半を超えた私にはもう、正社員の立場は基本的にないものと心得ている。
若くて元気のある人はやはり、がっつり働けるところで活躍してほしいなと思った。