「生涯引きこもり」と宣言された私の、超豪華オプション生活

 登校拒否となり、生涯ひきこもりであろうと決めつけられて四半世紀。社会人として生きる記録。#発達障害 #自閉症 #ニート

特別支援学校(養護学校)高等部3年の授業内容

2018-04-13 22:35:42 | 当事者研究

娘の通う養護学校(他の都道府県では特別支援学校と呼ばれている)の授業参観に参加する。

内容は歴史的資料を使ったお辞儀の作法。小学校低学年レベルの内容を高等部三年生全体で聴く。

先生の講義を聴いてまともに反応できているのは3割弱とみる。わが娘(昨年まで知能指数測定不能。最近ようやく最低のIQである20が認められる。療育手帳1度)は、しっかり講義を礼儀正しく聞いているが内容はわからないようでいかなる質問があってもキリッと座位を保持している。実に立派な授業態度だと感心する。

数分でじっとしておられず挙動不審となり先生が抑えにかかっている生徒が十数人いる。彼らにはマンツーマンで介護員か副担任がついている。隣の部屋からは、言葉ははっきりしているが明らかに授業を拒否して大声を出して騒いでいる生徒(療育手帳で2度か3度レベルかな)がいた。

愛知県は発達障害のある生徒に対してもない生徒に対しても、療育手帳のない生徒には特別支援学校入校を認めていない。浜松医科大学の資料によると発達障害の生徒の特別支援学校入校知能指数要件を緩和している県が10いくつかある。発達障害の生徒に対して知能指数要件を撤廃している県もあるそうだ。

知的障害児の教育を目的としている特別支援学校高等部3年の授業とは、上記のようなものである。この学校で娘は、自分の名前を鉛筆で書けるようになり、箸が持てるようになり、野菜が食べられるようになった。

わが娘の10年前の主治医は、現在県発達障害者支援センター長「家事をする引きこもり」が治療目標と県の文章で公表した「ひげの医師」である。そこの病院医師から娘は「今後決して言葉を発することはない。あらゆる試みは無意味。」と断定されている。

ひげの医師たちの予想に著しく反して娘は、簡単な言葉を発することができる。また、先生が安心して目を離せる生徒であり、わけのわからない授業にもキリッと参加する社会性を有する。タブレット端末やキーボードを与えれば、ローマ字入力で簡単な言葉を入力することもできる。私が東京都の入所施設で経験した療育手帳1度と自閉を併せ持つ障害者たちのふるまいとは著しく異なる。偏食は少なく、箸を持ち、強度行動障害はまれにしかなく、実に愛らしい。

早期療育が広まり、学校からかつてのような強度行動障害が減ったという声を、私は何人かの専門家から聞いている。杉山先生の20年前の本にも統計的裏付けが書かれていて、発達障害者支援法以降の変化を実感している。しかしながらそれは、明らかに知的障害のある人たちに対する効果だとも、私は思っている。

知的メインの養護学校は、重度の知的障害の子供のためにあってほしい。現にその教育内容は、療育手帳4度の人(はたから見て知的障害があるとはわからないレベルの知的障害)やボーダーラインの人たちにとってさえ、すでに達成されているものである。ましてや知的障害のない発達障害の生徒さんには、ぜひともその知能指数に応じた教育が保障されるべきだと私は信じる。

愛知県にも一つだけ、確か大学病院の中に、病弱児向けの養護学校があり、そこには知的障害のない発達障害の生徒がいることを知っている。だから自分は、知的障害のない生徒なんて知的障害児向けの養護学校にはいないと信じていた。しかし中には親の意思に児童精神科の医師が忖度して、都道府県受け入れレベルぎりぎりの知能指数であると診断書に書かれて、生徒的には半ば騙されて特別支援学校に入校させられているケースが散見されているらしいので、この文章を書いた。

知的障害のない(IQ70以上)発達障害の生徒さんたちとその親御さんたち。そして療育手帳4度のごく軽いレベルの知的障害の生徒さんと親御さんたち。冒頭のような授業が特別支援学校最高学年の内容である。よく考えてほしい。


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