星・宙・標石・之波太(しばた)

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旅行(ケアンズ日食)・番外

2013-01-04 21:29:12 | 旅行
ケアンズ日食について、1~6まで旅行記を書きました。
本日、旅行会社PTS社から「PTS皆既日食観測ツアー」参加のお礼と次回皆既日食
ツアーの企画にあたり、お客様のご意見をもとに、さらに質の高い旅行・サービスの
提供を目的にアンケートに協力のお願いの手紙が来ました。
A:予約から出発まで:4項目
B:今回のツアー全体について:3項目
C:今後の天文関連ツアーについて
 1.南天の星空と金環日食(5月11日前後・オーストラリア中部にてエアーズロック観光も予定)
 2.2013年11月皆既日食(大西洋上でのクルーズもしくはガボンを予定)
 3.2013年11月末ISON彗星(天候を加味した東南アジア等の高地を検討中)

Cについて、
1.については、金環日食についてはあまり興味がないのとエアーズロックに行ったことがあるので×
2.については、洋上は兎も角、アフリカは治安上のこともあるので×
3.については、彗星の見え方が変化(大化け)したら考えてもよいかな△

ツアーアドバイザーの中西昭雄さん撮影の写真が同封されていました。
思い出の一助になればということでした。
PTS天文観測デスクのHPに同じ写真がアップされています。

PTSツアーアドバイザー中西昭雄氏
皆既日食観測レポート

晴れのち雨のち晴れの、PTS皆既日食ツアー2012

バスが来ない…
皆既日食の日の早朝(深夜というべきだろう)、1時にマリーバロッジの前で迎えのバスを待つ。
雲は時々流れてくるが概ね晴れていて、逆立ちした冬の星座が良く見えている。
数時間後に起きる皆既日食の成功を期待させる天候だ。しかし何故かバスがやってこない...。
道路が渋滞しているという情報もあったが(後に誤報と分かる)、止むをえずケアンズのホテル
から出発した2台のバスに便乗して、皆既日食の観測場所である牧場兼熱気球の発着場・RingersRest
に向かうことになった。

満天の星空
RingersRestに到着するとほぼ満天の星空で、参加者の方々は下見の時に決めていた観測ポイント
に散らばり、機材の準備を始めます。ところが間もなく空一面に雲が広がり、やがて霧雨が降って
きました。「まさか皆既日食までこのままってことはないよな…」とは思うものの、一抹の不安が
横切ります。私たちの不安をよそに、雨は10分ほどで上がり、東の空からは徐々に晴れ間が広がり
始めました。3時30分から予定していた星空解説は、15分遅れの3時45分からスタート。所々に雲は
残っていますが、快晴に近い天気に回復しています。 星空解説では、南十字や大小のマゼラン雲、
エリダヌス座のアケルナルなど日本からは見えない星ぼしを眺めつつ、天高くに輝くカノープスや、
冬から春の天の川を楽しみました。 星空解説の後で撮影した写真を2点紹介しましょう。



雲間からの欠けた太陽が昇る
やがて東の空が白んできました、南緯17°と赤道に近いマリーバでは、明るくなり始めるとあっと
いう間に朝がやってきます。東の低空にはどうやら山の上には雲がかかっており、太陽は6時近く
に雲間から現れました。その時すでに部分日食が進んでおり、日食メガネでも容易にその欠けた姿
を見ることができます。欠けた太陽が現れたことで、皆のテンションも一気に張り詰めてゆきます。
部分日食は本当に淡々と、予報どおりに進んでいきました。早朝や夕方の日食は、見かけ上太陽
に対する月の動きが早いため食の進行が早く、あれよあれよという間に食分を増していきます。
空にはマリーバ名物の熱気球が、普段は3機ほどしか飛んでいないのに、10機も飛んでいます。

星ナビ1月号101ページと同じもの、中央左で立って気球をみているのが管理人

やがて皆既日食へ
皆既日食の20分くらい前には、金星がわりと明瞭に見えてきました。本来ならばもっと早く見えて
もいいのですが、残ってしまった薄雲の影響があるようです。皆既日食5分前を切ると、太陽は三
日月のように細くなり、徐々にですが薄暗くなってくるのが分かります。 皆既の30秒前に、天体
望遠鏡に装着した減光フイルターを外すと、ファインダーでは内部コロナが見え初めています。
PTSの国重さんにお願いしたカウントダウンはばっちりで、計算どおりの時間に皆既日食が始まり
ました。コロナは予想されていたとおりの極大型で、四方に広がった見ごたえのある形です。
プロミネンスはあまり出ていませんでしたが、1つだけ目立つものが肉眼でもピンク色に綺麗に
輝いていました。 カメラを操作して日食をちょっと眺めてまたカメラを操作して…を繰り返すと、
あっという間に1分35秒が経ってしまいます。何もせずに時計を眺めていると、1分35秒は結構長い
時間に感じますが、皆既日食の1分35秒は本当にあっという間です。やがてダイヤモンドリングの
出現が皆既日食の終わりを告げると、あたりは明るさを取り戻し、何事もなかったかのような日常に
引き戻されてゆきます。



全てが終わってしまったような
皆既が終わって数分後、まだ太陽は三日月形に大きく欠けているというのに、全てが終わってしまった
かのような脱力感、無事に皆既日食を見ることができたという充実感が入り乱れた不思議なそして
快適な疲労が襲ってきます。そして、「次の皆既日食はいつどこでだったっけ…」と、そう思った
のはきっと私だけではないと思います。 第四接触が終わり、太陽がすっかり元通りになると、機材
を本格的に片付け、その後集合写真を撮ることになりました。皆さん笑顔ですね!ぜひまた日食ツアー
で再会しましょう!

左端が中西さん