風景図鐔 (鍔の歴史)


風景図鐔 鎌倉
文様表現という点では、過去に幾度か紹介した鎌倉鐔と汎称されている作を例に上げねばならない。鎌倉鐔の多くは風景の要素を題に得ているのだが、いずれも文様化された風景である。
この鐔が典型。薄手に仕立てた鉄地をさらに鋤き込み、異風に文様化された風景を表現している。鋤彫の手法から鎌倉彫に擬えて鎌倉鐔と読んでいる手のもの。各々の素材は関連なしに鐔面を装っているようだが、恐らく作者はこの文様要素の関連性を意識しているのであろう。問題点は鋤彫である。美濃彫や正阿弥のような高彫とはせず、板鐔の厚さを越える高さはない。異風な意匠も大きな魅力である。けっして稚拙ではない。意図してのデフォルメである。78.9ミリ。


風景図鐔 鎌倉
文様表現という点では、過去に幾度か紹介した鎌倉鐔と汎称されている作を例に上げねばならない。鎌倉鐔の多くは風景の要素を題に得ているのだが、いずれも文様化された風景である。
この鐔が典型。薄手に仕立てた鉄地をさらに鋤き込み、異風に文様化された風景を表現している。鋤彫の手法から鎌倉彫に擬えて鎌倉鐔と読んでいる手のもの。各々の素材は関連なしに鐔面を装っているようだが、恐らく作者はこの文様要素の関連性を意識しているのであろう。問題点は鋤彫である。美濃彫や正阿弥のような高彫とはせず、板鐔の厚さを越える高さはない。異風な意匠も大きな魅力である。けっして稚拙ではない。意図してのデフォルメである。78.9ミリ。