二雅図小柄 一琴
二雅図小柄 一琴(花押)
江戸時代後期の金工、船田一琴の作。朧銀の特徴的な肌模様が窺える仕上げ。地面は磨地とも微細な石目地とも判じ得ないような自然味のある平滑な肌である。その表面に、金属組織の様子を明示している。朧銀地は銅と銀の合金で、その混合割合によって色調と皮質感が違って見える。もちろん表面に現れている色調は、作品の最終仕上げである色揚げ作業によってあらわれるもので、この色揚げが行われる前は、新鮮な10円玉と同じような銅の色合いである。金工秘伝の薬品に漬け込んで化学変化を起こさせ、表面に薄い独特の被膜を生じさせる。だから、微妙な組成の違いによって微細な斑文が生じることになる。朧銀地は比較的このような文様が現れやすい合金であるが故、意図的に虎の毛皮文様風に縞状の斑文を表わした作例もある。
二雅図小柄 一琴(花押)
江戸時代後期の金工、船田一琴の作。朧銀の特徴的な肌模様が窺える仕上げ。地面は磨地とも微細な石目地とも判じ得ないような自然味のある平滑な肌である。その表面に、金属組織の様子を明示している。朧銀地は銅と銀の合金で、その混合割合によって色調と皮質感が違って見える。もちろん表面に現れている色調は、作品の最終仕上げである色揚げ作業によってあらわれるもので、この色揚げが行われる前は、新鮮な10円玉と同じような銅の色合いである。金工秘伝の薬品に漬け込んで化学変化を起こさせ、表面に薄い独特の被膜を生じさせる。だから、微妙な組成の違いによって微細な斑文が生じることになる。朧銀地は比較的このような文様が現れやすい合金であるが故、意図的に虎の毛皮文様風に縞状の斑文を表わした作例もある。