二疋馬図笄 祐乗
二疋馬図笄 銘祐乗作光理(花押)
後藤家初代祐乗の作であることを、同十二代光理が極めて銘を刻したもの。後藤家らしい二疋の動物を併走させた図で、阿吽の相が窺いとれる。くっきりとした高彫に色絵と平象嵌が施されている。鬣が色絵、斑文が平象嵌。色絵に比較して象嵌部分の色合いが鮮やかであるのは当然、金の厚さが異なっているからだ。平象嵌の脱落部があるので、その処方が想像できよう。彫り込んだ円形が、腰の辺りは比較的深く、喉の辺りのはかなり浅いように感じられる。異金属を象嵌して表面を平滑に仕上げるこの表現は、特に金を鮮やかに見せる効果がある。古くは線状の平象嵌と点状の平象嵌が多く、技術が確立されるに従い、大きな面を平象嵌で施すようになる。後藤家の場合、平象嵌は高彫の表面に、特に着物の文様などを施す程度であったたため、大きな平象嵌は見ない。
二疋馬図笄 銘祐乗作光理(花押)
後藤家初代祐乗の作であることを、同十二代光理が極めて銘を刻したもの。後藤家らしい二疋の動物を併走させた図で、阿吽の相が窺いとれる。くっきりとした高彫に色絵と平象嵌が施されている。鬣が色絵、斑文が平象嵌。色絵に比較して象嵌部分の色合いが鮮やかであるのは当然、金の厚さが異なっているからだ。平象嵌の脱落部があるので、その処方が想像できよう。彫り込んだ円形が、腰の辺りは比較的深く、喉の辺りのはかなり浅いように感じられる。異金属を象嵌して表面を平滑に仕上げるこの表現は、特に金を鮮やかに見せる効果がある。古くは線状の平象嵌と点状の平象嵌が多く、技術が確立されるに従い、大きな面を平象嵌で施すようになる。後藤家の場合、平象嵌は高彫の表面に、特に着物の文様などを施す程度であったたため、大きな平象嵌は見ない。