年末にも近くなりますと、必ずこの話しをするプロの噺家さんが大勢おります。
大学4年時、12月のこの時期。東北大学主催によります「柳家小三治」師匠の落語会が戦災復興記念館で行われました。
酔漢、東北大学落研連中、東北学院大学落研連中らと共に、楽屋へ参りました。
「師匠、まさかバイクでいらっしゃたんじゃぁ」
「ああバイクですか。こっちは寒いですからね・・」と真顔の返事。
振った僕らが面食らいました。
さて、僕らはどんな噺をするのか、あれこれ推察中です。
「年末ちけぇからっしゃ。『厄払い』でもすんでねぇすか」
「んでも、それは多分前半のことだべさ。二回目取りだすぺ。ここで『芝浜』でもでてくれたらラッキーだべ」
僕らはここで小三治師匠の芝浜を聞きたいと思っておりました。
さて、小三治師匠。本日の最終公演です。落語の世界では「取り」です。
師匠出囃子で登場。いつもと全く同じ雰囲気です。
「まくら」を語りはじめました。「まくら」とは本題に入る前の導入部分。
酒にまつわる噺を語っております。
ですが・・途中「魚屋さん」が出てきました。
客席ざわめきます「『芝浜』だっちゃ」「『芝浜』だべ・・」
酔漢も心臓が高鳴りました。小三治師匠によります「芝浜」はある意味幻です。
ここ仙台の地でこの演題をおやりになられますとは・・・。
東北福祉大学落語研究会は発足4年目を迎えます。2代目部長は「独断亭偏見」さんです。福島出身のこの方。元気がいいのと、立川談志師匠をこよなく愛す、面白い人でした。学年は、酔漢より一つ上です。
「酔漢、実はな、今度の話。『芝浜』を掛けようかとおもっているんだ」
と相談を受けました。
正直、ショックでした。父親が魚関係の仕事をしている事もありましたが、魚河岸のあの雰囲気は当然自分が一番よく表現できると信じていたからです。
ぼくの顔をみて、偏見さんが続けます。
「あん好が『芝浜』さぁ入れ込んでるのはよぉく知ってる。だけど、卒業するまで一度は人情噺に関わってみたいとも考えていたんだ。芝浜はやってみたい噺なんだ。それと、是非、噺を仕上げるのを手伝ってもらいたいんだ」
「偏見さん。解ったっちゃ。んで手伝うからっしゃ」
人の話を仕上げながら、自分でも勉強になるんじゃないかとも思いました。
「芝浜」の練習を始めました。
場所は、築地に近いところ。魚屋「勝五郎」夫婦の話です。
「お前さん、起きとくれ!今日こそ仕事しておくれ」
「何いってんでぇ、もう半年も仕事休んでんだ。あと2.3日休んだってどうってことねぇだろ」
「こまるんだよ!今日仕事してもらわないと釜の蓋あきゃしないよ」
「釜の蓋開かなかったら鍋の蓋でも開けて・・・」
「鯉や鮒じゃないんだよ!水ばっかし飲んでんじゃ生きていけないよ。それにお前さんゆんべ何ていったんだい。『明日から仕事行くから今日は呑むだけ呑ましておくれよ』って約束したじゃないか。男だろ、だらしないねぇ。いっとくれよ!」
「わかった。わかった行くよ!行きゃいいんだろ行きゃ。でもよ、しばらく休んじまったんだ。番台の水が漏ってしゃぁねぇやな」
「ちゃんと糸底に水張ってあるからね一たらしも漏っちゃいないよ」
勝五郎少しがっかりした様子でしぶしぶ・・
「じゃぁあれだ。包丁が錆びてるから、その錆びを落とすのにもう一日・・」
「あれだけは、あたしも感心したよ。休む前にちゃんと磨いで蕎麦がらん中に突っ込んでおいてたろ。生きのいい鯖みたいな色しているよ」
勝五郎、ますますがっかりしている様子。
「でもよ。銭がなくっちゃ。肝心の魚が買えネェんだぜ」
「何とかするよ!」
「なんだ全部そろっちまったじゃねぇか・・・(本当にがっかり)・・分かったよ!行くよ。行きますよ。行ってくらぁ」
勝五郎、番台を背負うと、まだ暗い冬の外で出てまいります。
「うっ!さぶい!(思いっきり震える勝五郎)なんだなぁ、魚屋なんてぇのは、まだ人様が寝ている時分に仕事しなきゃなんねぇんだからなぁ。まだこいつら(顎を上げ、通りすがりの家の方を見るような仕草)布団の中なんだぜぇ・・。ええ。さぶいったらありゃしねぇ。」
歩きながら話しをする勝五郎。そこへ一匹の犬が足元へ来る。
「おいっ!何しやがんでぇ。なんだむくかよ。おめぇ俺んとこ忘れちまったのかよおい!よく魚のあらやったじゃねぇか・・」
すると鐘の音色が聞こえて来る。
「増上寺様の鐘だぁ。いい音色だねぇ。こいつも久しぶりだぁ」
ふと顔色を変える勝五郎
「なんだぁ、おい!おっかぁのやろう時まちげぇて起こしやがった!いまいましいかかぁだぜ」ふと家へ戻りかける。が、やめる。
「まぁどっち道、ここまで来たら河岸いかなきゃなんねぇんだ。座ってまってりゃ夜があけちまわぁ」
煙草を吸う勝五郎。ふと、海の方を眺めている様子。
「おっ。だんだんと空が白み始めたじゃなぇか。きれいだねぇ・・良く空と言えば、青色一色なんていう奴がいるが、そうじゃぁねぇぜ。あんんともいえぇねぇ色してやがる。こっち半分は黒いが、海の方はうっすらと赤い。そんでもってだんだんと白んで来やがる・・早起きしねぇとわからねぇんだ。そうだ。これが好きで魚屋やってたんだぜ・・しばらく忘れちまったんだなぁ」
桂三木助風(先代の)で・・
芝浜の海を眺めております。海端に目を落としますと、浪の間に何か漂うものがございます。吸っておりましたキセルの雁首でもってそれを取ろうといたしました。
「よっつと。(なかなか上手くひかっからない)よっ・・と。ちちちって・・と
(引っかかった紐を手繰り寄せる)なんだなぁ、古い財布だぁ・・あぁぁ汚ねぇ財布(せぇふ)だなぁこいつぁ。(両手で財布の重さを確かめる仕草)なんだぁ、重いねこいつぁ。どれ と(中身を確かめる)へぇってやがる!二分金だぜ。おい!おいいくらへぇってやがんだ ひと・ひと・ひと・・・ふた・ふた・・・みっつ・みっつ・・よ・・・ご・・ おい!五十両へぇってやがる」
勝五郎あまりの大金に震えだす。あたりを伺う勝五郎。だれもいない事を確かめると、財布を懐へしまい。番台をかつぎ直すと一目散と家へ戻る。
かなり焦って家へたどり着く。
戸を叩く。
「おっかぁ(ドンドン)おっかぁ(ドンドン)あけつぇくれぇ。おっかぁ(ドンドン)・・・」
「はい、はい、おまぇさんが戻ってくるんじゃないかって・・ごめんなさい、私、時まちげぇておまえさんとこ、起こしちまって・・今開けます(ガラリ、戸を開ける)」
駆け込むように、家は転がり込む勝五郎。一旦戸口から外を伺い、しっかり戸口に鍵を掛ける。居間に転がり込む。
「おっかぁ、おめぇ時まちげぇて・・」
「ごめんよ。久しぶりだったから・・」
「そんなのどうでもいいんだ・・おっかぁこれをみつくれ」
「古い財布じゃないか。。お前さん。どうしんだい?」
「しろった!芝の浜で・・五十両へぇってやがる」
勝五郎の仕草、おかみさんとの掛け合い。その間が非常に難しい噺。そして前半部です。勝五郎の心理描写の変化が、体から出てまいりません事には、お話になりません。しかも、現在使われていない仕草も多数出てまいります。
キセルとか、煙草に火をつける火打石のやり方とか。
一つ一つ、ていねいに演じませんと、ボロが一杯出てきます噺です。
先代桂三木助・そして、仙台で見ました柳家小三治。テレビで見ました立川談志。
それぞれの師匠がそれぞれの勝五郎を演じきり、どの勝五郎も、生きて存在しているのでした。
独断定偏見先輩。苦労しております。
そしてそれから一年後。あん好(=酔漢)もその苦労にはまるのでした。
大学4年時、12月のこの時期。東北大学主催によります「柳家小三治」師匠の落語会が戦災復興記念館で行われました。
酔漢、東北大学落研連中、東北学院大学落研連中らと共に、楽屋へ参りました。
「師匠、まさかバイクでいらっしゃたんじゃぁ」
「ああバイクですか。こっちは寒いですからね・・」と真顔の返事。
振った僕らが面食らいました。
さて、僕らはどんな噺をするのか、あれこれ推察中です。
「年末ちけぇからっしゃ。『厄払い』でもすんでねぇすか」
「んでも、それは多分前半のことだべさ。二回目取りだすぺ。ここで『芝浜』でもでてくれたらラッキーだべ」
僕らはここで小三治師匠の芝浜を聞きたいと思っておりました。
さて、小三治師匠。本日の最終公演です。落語の世界では「取り」です。
師匠出囃子で登場。いつもと全く同じ雰囲気です。
「まくら」を語りはじめました。「まくら」とは本題に入る前の導入部分。
酒にまつわる噺を語っております。
ですが・・途中「魚屋さん」が出てきました。
客席ざわめきます「『芝浜』だっちゃ」「『芝浜』だべ・・」
酔漢も心臓が高鳴りました。小三治師匠によります「芝浜」はある意味幻です。
ここ仙台の地でこの演題をおやりになられますとは・・・。
東北福祉大学落語研究会は発足4年目を迎えます。2代目部長は「独断亭偏見」さんです。福島出身のこの方。元気がいいのと、立川談志師匠をこよなく愛す、面白い人でした。学年は、酔漢より一つ上です。
「酔漢、実はな、今度の話。『芝浜』を掛けようかとおもっているんだ」
と相談を受けました。
正直、ショックでした。父親が魚関係の仕事をしている事もありましたが、魚河岸のあの雰囲気は当然自分が一番よく表現できると信じていたからです。
ぼくの顔をみて、偏見さんが続けます。
「あん好が『芝浜』さぁ入れ込んでるのはよぉく知ってる。だけど、卒業するまで一度は人情噺に関わってみたいとも考えていたんだ。芝浜はやってみたい噺なんだ。それと、是非、噺を仕上げるのを手伝ってもらいたいんだ」
「偏見さん。解ったっちゃ。んで手伝うからっしゃ」
人の話を仕上げながら、自分でも勉強になるんじゃないかとも思いました。
「芝浜」の練習を始めました。
場所は、築地に近いところ。魚屋「勝五郎」夫婦の話です。
「お前さん、起きとくれ!今日こそ仕事しておくれ」
「何いってんでぇ、もう半年も仕事休んでんだ。あと2.3日休んだってどうってことねぇだろ」
「こまるんだよ!今日仕事してもらわないと釜の蓋あきゃしないよ」
「釜の蓋開かなかったら鍋の蓋でも開けて・・・」
「鯉や鮒じゃないんだよ!水ばっかし飲んでんじゃ生きていけないよ。それにお前さんゆんべ何ていったんだい。『明日から仕事行くから今日は呑むだけ呑ましておくれよ』って約束したじゃないか。男だろ、だらしないねぇ。いっとくれよ!」
「わかった。わかった行くよ!行きゃいいんだろ行きゃ。でもよ、しばらく休んじまったんだ。番台の水が漏ってしゃぁねぇやな」
「ちゃんと糸底に水張ってあるからね一たらしも漏っちゃいないよ」
勝五郎少しがっかりした様子でしぶしぶ・・
「じゃぁあれだ。包丁が錆びてるから、その錆びを落とすのにもう一日・・」
「あれだけは、あたしも感心したよ。休む前にちゃんと磨いで蕎麦がらん中に突っ込んでおいてたろ。生きのいい鯖みたいな色しているよ」
勝五郎、ますますがっかりしている様子。
「でもよ。銭がなくっちゃ。肝心の魚が買えネェんだぜ」
「何とかするよ!」
「なんだ全部そろっちまったじゃねぇか・・・(本当にがっかり)・・分かったよ!行くよ。行きますよ。行ってくらぁ」
勝五郎、番台を背負うと、まだ暗い冬の外で出てまいります。
「うっ!さぶい!(思いっきり震える勝五郎)なんだなぁ、魚屋なんてぇのは、まだ人様が寝ている時分に仕事しなきゃなんねぇんだからなぁ。まだこいつら(顎を上げ、通りすがりの家の方を見るような仕草)布団の中なんだぜぇ・・。ええ。さぶいったらありゃしねぇ。」
歩きながら話しをする勝五郎。そこへ一匹の犬が足元へ来る。
「おいっ!何しやがんでぇ。なんだむくかよ。おめぇ俺んとこ忘れちまったのかよおい!よく魚のあらやったじゃねぇか・・」
すると鐘の音色が聞こえて来る。
「増上寺様の鐘だぁ。いい音色だねぇ。こいつも久しぶりだぁ」
ふと顔色を変える勝五郎
「なんだぁ、おい!おっかぁのやろう時まちげぇて起こしやがった!いまいましいかかぁだぜ」ふと家へ戻りかける。が、やめる。
「まぁどっち道、ここまで来たら河岸いかなきゃなんねぇんだ。座ってまってりゃ夜があけちまわぁ」
煙草を吸う勝五郎。ふと、海の方を眺めている様子。
「おっ。だんだんと空が白み始めたじゃなぇか。きれいだねぇ・・良く空と言えば、青色一色なんていう奴がいるが、そうじゃぁねぇぜ。あんんともいえぇねぇ色してやがる。こっち半分は黒いが、海の方はうっすらと赤い。そんでもってだんだんと白んで来やがる・・早起きしねぇとわからねぇんだ。そうだ。これが好きで魚屋やってたんだぜ・・しばらく忘れちまったんだなぁ」
桂三木助風(先代の)で・・
芝浜の海を眺めております。海端に目を落としますと、浪の間に何か漂うものがございます。吸っておりましたキセルの雁首でもってそれを取ろうといたしました。
「よっつと。(なかなか上手くひかっからない)よっ・・と。ちちちって・・と
(引っかかった紐を手繰り寄せる)なんだなぁ、古い財布だぁ・・あぁぁ汚ねぇ財布(せぇふ)だなぁこいつぁ。(両手で財布の重さを確かめる仕草)なんだぁ、重いねこいつぁ。どれ と(中身を確かめる)へぇってやがる!二分金だぜ。おい!おいいくらへぇってやがんだ ひと・ひと・ひと・・・ふた・ふた・・・みっつ・みっつ・・よ・・・ご・・ おい!五十両へぇってやがる」
勝五郎あまりの大金に震えだす。あたりを伺う勝五郎。だれもいない事を確かめると、財布を懐へしまい。番台をかつぎ直すと一目散と家へ戻る。
かなり焦って家へたどり着く。
戸を叩く。
「おっかぁ(ドンドン)おっかぁ(ドンドン)あけつぇくれぇ。おっかぁ(ドンドン)・・・」
「はい、はい、おまぇさんが戻ってくるんじゃないかって・・ごめんなさい、私、時まちげぇておまえさんとこ、起こしちまって・・今開けます(ガラリ、戸を開ける)」
駆け込むように、家は転がり込む勝五郎。一旦戸口から外を伺い、しっかり戸口に鍵を掛ける。居間に転がり込む。
「おっかぁ、おめぇ時まちげぇて・・」
「ごめんよ。久しぶりだったから・・」
「そんなのどうでもいいんだ・・おっかぁこれをみつくれ」
「古い財布じゃないか。。お前さん。どうしんだい?」
「しろった!芝の浜で・・五十両へぇってやがる」
勝五郎の仕草、おかみさんとの掛け合い。その間が非常に難しい噺。そして前半部です。勝五郎の心理描写の変化が、体から出てまいりません事には、お話になりません。しかも、現在使われていない仕草も多数出てまいります。
キセルとか、煙草に火をつける火打石のやり方とか。
一つ一つ、ていねいに演じませんと、ボロが一杯出てきます噺です。
先代桂三木助・そして、仙台で見ました柳家小三治。テレビで見ました立川談志。
それぞれの師匠がそれぞれの勝五郎を演じきり、どの勝五郎も、生きて存在しているのでした。
独断定偏見先輩。苦労しております。
そしてそれから一年後。あん好(=酔漢)もその苦労にはまるのでした。
朝ごはんお作りになる。
私が朝動けないので、家内に作ってもらっております。
「居残り佐平次」を、太陽族に置きえた川島雄三の名作でございました「幕末太陽伝」
助監督は今川昌平。最後、スタジオセットの中から「さぁここから外にでて一気に・・・そう外にでるのです」と監督川島の声。
「監督、今からセット変えるなんて出来ません」と今川。この提案に折れた川島。
今川昌平が晩年
「あそこは外に出るべきでした。セットという小さい空間から、解き放たれた主人公が必要だったと。。今にして思うのです」と語っておりました。
落語をはじめ都都逸、小唄、はてさて太鼓持ち
まで、江戸庶民文化に精通していた「川島」ならではの世界でした。
映画を語ってしまいました。
お嬢様の落語。聞きたいです。。。
これから語ります。ぐずら様は、落語に詳しいようですね。
自分で演じた演目。周りにおりました「与太郎」を語ってまいります。
最初に聞きましたのが中学の頃。
「凄い!」の一言でした。それまでは「東宝名人会録音」の「桂 三木助」師匠のものが、おかみさんの声色なんか見事だったと思います。
私も演じましたが・・今更思いますれば「大胆不敵」としか言い様がございません。
録音を聞きますと・・・恥ずかしくなってきます・・(汗)
カミさんは極端な朝ダメ女なもんで、もう10年以上もの間、自分と2人の息子の朝飯は私が作っています。
あ、そんだけのお話です。
「おい嬶!財布はどうした・・・」
なんてところは酔漢さんにおまかせして m(_ _)m
ども、ご無沙汰をいたしておりました。
子どもの頃、ぐずら家の茶の間では一日中ラジオが点けられていて、NHKの寄席番組が大好きで落語、講談にむちゅうになっておりました。
「野晒し」「芝浜」好きです。
「品川心中」「居残り佐平次」「三十石」「てれすこ」好きです。
枝雀の「頭ヶ池」もう一度聞きたい・・・
落語ネタの邦画もたくさんあって、「幕末太陽伝」なんか、もう堪らん
全く知らない世界ですから、面白いですね。
居眠りして反復しながら読みましたよ。
明日も朝から33時間拘束勤務です。
がおってます。
「談春師匠はクリスマス独演会をする、その時の根多が「芝浜」。『赤めだか』を読んだ人なら「ああ」と思うだろう。「芝浜」を選んだのは単に暮れの風物詩だからじゃない。「芝浜」こそが、かつて談春少年が談志の真髄に触れて入門を決めた運命の一席。まだこの人は挑んでいる、挑み続けているのだ、惚れて惚れぬいた立川談志に。」
とあったんです。今日、酔漢様のお話を伺って、それほどの演目なんだという思いを深めました。