酔漢のくだまき

半落語的エッセイ未満。
難しい事は抜き。
単に「くだまき」なのでございます。

今年読んだ本・・です。

2010-12-21 10:06:42 | スコッチウィスキーの話
今年面白かった本、家族アンケート結果。

家内「もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの『マネジメント』を読んだら」
年下君「サマーウォーズ」と「図書館戦争」(昨年から引き続き・・です)
シティラピッド君「お仕事に必要な書類いろいろ」(面白いわけではなく必要で・・)
という我が家でございました。
「酔漢は?」と申しますと上記写真でございます。
久々にウィスキーの話題です。

ウィスキーの一般小売数量が久々に上昇した今年の結果でした。これは例の「ハイボール効果」と言えるのですが、「ウィスキーはそのままに限る」としました酔漢流とは違っているものの、久々に「ウィスキー」がブレイクしたのでした。
さて、その「ハイボール」ですが、どうしても、「夕方の場末の飲み屋」を連想してしまいます。
夏の夕方、安いトリスバーに入りまして、流れる音はプロ野球中継。そしてテーブルには「競馬新聞」と(あやしい?)「夕刊」が無造作に置かれている。本当に薄いハイボールが、タンブラーになみなみと注がれて、泡のはじける音だけが聞こえて来る。
ウイスキーの氏素性を知る興味などなくなるのです。
「おやじ!ハイボールくれぇぇ」
で、注文です。
そんなイメージのハイボールですが、「若者が『うまい』!」と絶賛したのですから、不思議なものです。
サントリーのCMで小雪さんがハイボールを作るのがありましたが、これが火つけかと思うのでした。
ハイボールという呑み方をしらないわけではございませんが、酔漢は仙台で呑んだ経験がございませんし、水割りはありましてもわざわざ「ハイボールで」とは注文した記憶はございません。「案外仙台ではメジャーな呑み方ではなかったのかな」と思うのです。

親父は本当に時たま「角瓶でハイボール」を呑んでおりましたが、「コークハイ」の方が得意だったと思いますし、晩年は水割りの「軽井沢」が好きでした。
酔漢が普段呑んでおります「ニッカ竹鶴」ですが、もちろんそのままロックで呑んでおります。
やはり、ハイボールは先に来ません。
では、どうして、ハイボールが先に来ないのでしょう。
酔漢は。あの「泡がはじけたとき、ウィスキーの香がよけい際立つのではないか」と思うのです。「香が逃げていくのでは」とも。
最初に鼻の奥まで届きますと、「ウッ」とむせてしまう。これがどうも「苦手」なのかな、と思いました。
ともあれ、「ハイボール」が今や主流となりました(流行り?)ウィスキーです。
サントリーは独自で輸入しております「シングルモルト」に炭酸の小瓶を付けて販売いたしました。「ボウモア」「グレンフェディック」「マッカラン」「ラフロイグ」。
「おいボウモアお前もかぁ」と思わず口に出しました酔漢です。
シングルモルトはそのまま、その個性を味わっていただきたいのです。が、これも商売かと、否定はいたしません。実際、これを機にスコッチを知った若者は数多くいるのであろうと思う時、「いいきっかけ」になったとも思います。
ただ、その個性がどの様に育まれておるのか。それは少しばかり考えて頂きたいとも思います。
ハイボール発祥の地は「サンボア」だと、上記(写真の)の著者はご解説いたしておられます。ただ、著者と意見が一致いたしましたのは、「ハイボールの炭酸水は、天然炭酸水(→ヨーロッパ発のスパークリングウォーター)よりは、人工的な炭酸水の方が適している」という点です。
天然炭酸水と角瓶でハイボールをこさえましたが、どうもしっくり行きません。
安い、人工的炭酸水の方がいい香がのこるような気がいたします。
同著、248ページに、「ある友人がアイラ島シングルモルトのハイボールをすました顔で注文していたので私も真似してみたら、これは結構いけた。スモーキーフレーバー独特の煙っぽい香が快く、違ったタイプのハイボールを楽しめた」とございました。
「もったいない」かと最初に頭に浮かべるのは酔漢の貧乏性なのでしょうか。例えば「ラガヴーリンのハイボール」とは考えも付かない酔漢です。
では、酔漢のハイボールに適したウィスキーはと申しますと、TVなのでやっております「トリスウィスキー」ではございません。
逆から話を進めてみますと、「トリス」は確かに安価なウィスキーではございますが、トリスの原型は「古いワインの樽で熟成させられたリキュール用のアルコール」です。ですから、どこかに果実の香りを残しております。この独特の香が、炭酸の気泡と混ざって鼻に入りますと、これはこれで「個性」なのですが、「さて、肴はどうしよう」となるのです。これは酔漢の癖でございますが、どうしても好みの肴あっての「酒」ですので、このトリスハイボールは肴を探すのに苦労する風味となっているのです。
先の「アイラモルト」もしかり。「スモーキーが鼻に急激に入ってくる感じ」なので、某氏のおっしゃいますようにはたして「これはいける!」のか、試しましたが(ラフロイグで)どうも好きになりませんでした。
では、「合う酒、ウィスキーはどうか」と申されますれば。
「カナディアン系」がよろしいのかと。こう結論といたしたいのです。
カナディアンウィスキーの特徴は普通のブレンディッドが「モルトとグレーン」のブレンドを基本とすれば「フレーバーリングとベース」という、二つのウィスキーをかけわせたものでブレンドすることです。ベースはどちらかと言いますとトウモロコシが主原料ですので「グレーン」と同じかもしれません。フレーバーは二条大麦を主としております。
これらをブレンドさせて作るウィスキーは、「香に癖がない」(酔漢流では個性が少ない。これが個性なのですが)「さっぱりとした感じ」と言った形容です。
「CC=カナディアンクラブ8年」がハイボールに一番いいのかと。これも酔漢の好みですが。(主観です)。
もちろん、日本系もこれに合いますが、どうせならニッカの香を楽しみたい酔漢ですので、「クリアブレンド」で、PB40円の炭酸水。これでいいでしょう。

さて、上記の本の中身です。
中身は酔漢の苦手な化学式とか分子構造モデルとか記載されております。
ですが、結論は「まだわからないことがたくさんある」ということです。
これは、知っていたことですが、「ウイスキー時間」を読みましたとき、改めて、ウィスキーの奥深さを知りました。
「10年物のウィスキーが出来上がるとき、その99%の時間は樽で寝ているだけ」
ほとんどの過程を神様にゆだねることに驚きます。
醸造過程は何度も語りましたが、改めて、科学的視点で見ますれば、その数値の大きさに驚きます。
「目から鱗」の酔漢でした。

本のご紹介です。
「ブルーバックス B-1658。古賀邦正著 ウイスキーの科学 知るほどに飲みたくなる『熟成』の神秘 2009年 第1刷発行 講談社」

ウイスキーはじつに不思議な酒だ。全行程のうち、人が関われる時間はわずか1%ほど。残りの99%は、「熟成」がもたらす劇的な変化をただひたすら「待つ」時間なのだ。その間に樽の中では何が起きているのか?科学がいまだ解き明かせない謎に、「新説」をまじえて迫る。

表紙の帯に誘われて読んでしまいました酔漢でございました。

ですが・・・読後。
「理屈じゃねぇ!うまきゃ。それでOK!だ!」
心で叫んでおりました。

実は、「化学音痴のトラウマがぁぁ」です。
「おめぇ、おらいの授業ちゃんと聞いてねぇからだべ!」
山村先生(仙台高校、現校長先生)の声が聞こえてきそうです。

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6 コメント

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化学の先生は (ひー)
2010-12-22 21:13:58
「何故なんだろう、どうしてなんだろう」と思う気持ちが大事だ!と云ってましたよ(笑)

数ヶ月前、久々にスナックに行きました。
初めて、ハイボールを口にしましたよ。

家で飲まない理由はただ一つ、そのつど作るのが面倒なのでした。
だから、昔は、一度氷を入れればそのままオンザロック。
そのうちストレートに近くなり、最近は焼酎もそのまま飲んでしまいます。
飽きると、日本酒・・・そのまま飲めるから。

こんな考えで飲んでもいいのでしょうか?
もう少しお酒を楽しまないと・・・と感じています。
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おっ!久々で酒の話題・・・ (ぐずら)
2010-12-23 00:42:13
割りものではバーボンのジンジャエール割り(ウィルキンソンがベスト)が好きです♪
生で呑むならタラモアデューやグレンフィディックだね。
ハイボールは、昭和30年代後半に親父の世代が好んで飲んでたのを見てたけど、自分ではほとんど飲んだことがありませんでした。
ちなみに、オイラ若い頃からのスピリット好きで、ストロワヤ、ストリチアナ、タンカレー、ボンベイサファイアに今は無きシルバラード辺りが定番でしたが・・・
今じゃあ、一年中家で日本酒熱燗!しかも880円/2ℓの純米酒(?)だもんねぇ~~~
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ひー様へ (酔漢です )
2010-12-23 08:50:44
「理屈じゃねぇぇ」っていうのは、本音なのですが、ことお酒となりますと、やはり知りたくなるのです。
授業がお酒の科学であれば、もっと興味もてたかなぁ。でも発酵ですから生物だったかな。
どちらでしたっけ?
本当に忘れております。
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ぐずら様へ (酔漢です )
2010-12-23 08:53:58
ウィルキンソンは関西でメジャーなジンジャエールでしたか。
香がいいんですよね。カナディアンドライよりかおいしいです。
40度のバーボンとの組み合わせは想像つきます。ターキーだろうかと思うのですが。
そうか、バーボンがあったかと。実は初めて気づいたのでした。
バーボンのジンジャエ-ル割。
明日試します。
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Unknown (takeda)
2010-12-23 12:25:13
もしドラは、ドラッカー読んでて眠たくなってた頃、本屋で見つけてヤフオクで購入したら、あれよあれよと大人気に。
サマーウォーズはDVDがあり子供達は「佗助、いまここで死ね」「こんな家、帰ってくるんじゃなかった」と芝居してます(笑)。

返信する
ウィスキーといえば・・・ (丹治)
2010-12-29 12:52:00
学生だった時分、ウィスキーといえば
レッドだったですね。「○酔いレッド」とか何とか言って・・・
角だのダルマだの、滅多に御目にかかれませんでした。

マルスのレアオールドは、唯梨庵で酔漢さんに教えてもらいましたね。

あの頃は国鉄で旅行すると、
駅のホームの売店にまだトリスが置いてあったような気がします。

科学の思い出といえば、五段階評価で「1」を取ったこと(前期だったので落第せずに済みました)。

科学では飲めるアルコールと飲めないアルコールの分子式しか分りません。
あと、化学実験室に忍び込んで飲んだ蒸留水が
死ぬほどまずかったのも覚えています。
水の旨味はH2Oではありませんね。
ミネラル成分が含まれていればこそだと思います。

親父はもっぱら安いウィスキーを水割りで飲んでました。
親父の曰く、
「いいウィスキーは少しずつ飲んで、香りを楽しむものだ」。

こんなこともありましたよ。
小学校の三年生、社会科の宿題です。
「みんなの町に何屋さんが何軒あるか調べてきましょう」。
小生の家が塩竈のいかなる所になるかは、
酔漢さんもよ~~~~~く御存知のはず。
業種別に数えると、飲食店ばかりがやたらめったら多くなるんです。

それで数えましたね。
ニッカバー○軒、トリスバー△軒、サントリーバー×軒・・・
いやぁ、おばちゃん先生に怒られたの何の。
「あなた、何を調べてきたんですかっ!!!!」
事情を知らぬ方はこれだから困ります。
あの頃は入れているウィスキーの名前を看板に書いている店が多かったですね。
それで小学三年生だった丹ちゃんの調査によれば、
ニッカバーが群を抜いて多かったような気がします。

酔漢さん、今度、鮭の燻製ば作(つぐ)っとぐがらっしゃ。
ボウモアかラフロイグで一杯やっぺし!!
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