全豪オープンに優勝し世界ランキング1位となった大坂なおみさんの活躍は
テレビで応援した私の脳裏に今も鮮明に残っています。
決勝の攻防を振り返ると、タイブレークの接戦を制して第1セットを取り、第2セットも
5ゲームを先取して0-40のマッチポイントを握り王手をかけたが、まさかの4ゲームを連取
されての逆転でこのセットを落とした。コートを離れトイレで号泣して気持ちをリセットして
最終セットに臨んだが第1ゲームを(連続5ゲームを)取られるそして悲痛な表情で観客席の
サーチャコーチを見つめる。
テレビのニュース番組でコメンテーターを務めていた脳科学者の中野信子先生がこの場面を
捉えて解説していました。「コーチが何かゼスチャーで合図を送り、大坂選手は口角を上げて
作り笑顔をしてそれに答えたのです。そして悪い流れを断ち切った反撃が始まり、見事に優勝を
勝ち取りました。これは笑顔の力も大いに効いていたと思います」
精神科医の大野裕先生によれば、こころの内面の動きと表情や姿勢など外見との関係については
専門的に「インサイドアウト」と「アウトサイドイン」といわれる関係があるそうです。楽しい
気持ちになるから笑うし、悲しい気持ちになるから泣く(インサイドアウト)。一方、アウトサイドイン
というのはその逆で、笑顔になれば楽しい気持ちになるし、背筋を伸ばしてしっかりした姿勢をとれば
気持ちにも張りが出るという関係です。笑顔は免疫機能を強化し、身体的な健康にも良い影響を与える
(癌にもなりにくい)という研究結果も報告されています。興味深いのは米大リーグ入団したときに撮った
写真が笑顔だった選手はそうでなかった選手に比べて選手寿命が長かったという研究結果もあるとのことです。